目次
収益物件の査定方法を知っておく
オススメの方法としては不動産の「一括査定サイト」を利用することです。
【一括査定のメリット】
- 複数社の査定額を比較することで、高く売れる会社がわかる
- 収益物件に強い会社を選定してくれるので、会社選びが楽
収益物件とは、名前のとおり「収益を目的とした不動産」です。
賃貸アパートや賃貸マンション、貸家や貸しビル、月極駐車場も収益物件に分類されます。
これらの収益物件も、一般的な居住用不動産と同じように市場で売買されています。
この収益物件が居住用不動産と大きく異なるのが、買主は自らの居住用でなく「儲けるため」に収益物件を買うので、専ら利回りを考えて取引されている点です。
そのため、売却価格を決める査定においても、重視されるのは利回りであり、物件としての不動産的価値よりも、まずは投資対象としての価値が求められます。
居住用不動産の査定は「取引事例比較法」という、近隣の似た条件の物件がいくらで売れたかという点を重視して査定額が算出されますが、収益物件ではたとえ高く売れた物件の周辺で同じような物件が存在しても、何らかの理由(管理がずさん、事故物件である、湿気がたまりやすいなど)で入居率が悪いと、まったく売れないこともあります。
逆に、交通の便が悪く、建物が古くても、駐車場が整備され、入居率が良く、家賃の滞納もないような物件は投資対象として魅力的であり、高値で取引されることもあります。
居住用不動産の査定はインターネットの比較サイトや、場合によってはポスティングのチラシでもその情報を目にしますが、収益物件の査定の場合、あまりそのような広告を見かけることも少ないと思います。
そのため、売りたい収益物件があっても、どのようにして売ればいいかがわからない人も多いのが現状です。
収益物件を高く売却するために押さえるべき6つのポイント
1.収益物件を売る理由別の注意点を知っておく
収益物件を売る理由はさまざまですが、大きく分けると次の5つに分類されます。
収益物件を売却する理由
- 管理ができなくなってしまった
- 投資用不動産としての価値が下がった
- 資金づくり
- 購入価格がペイできたときの転売
- 相続を受けた
管理ができなくなってしまった場合
自ら物件や入居者の管理を行う、まさしく「大家さん」と呼ばれるような人が、年齢を重ねることで管理(大家業)をしていくことが困難となり、「大家業の廃業」の意味合いで手放す場合です。
この場合、管理さえできれば売却しない方がよいケースもあります。
管理会社に任せる、という選択肢も視野に入れつつ相談できる不動産会社を見つけましょう。
投資用不動産としての価値が下がった場合
前述のように、収益物件は収益があってこその不動産なので、投資先としての魅力がなくなってしまった物件(空室ばかりの物件)は価値がありません。
場合によっては、税金や日々の管理・修繕に使うお金すら稼げないこともあり、そういう物件は早めに損失を出してでも売りに出すべきです。
資金づくりの場合
収益物件を所有する人は、一度そのうまみを感じると、どんどん物件を増やしていく、さらに規模の大きな物件を所有する傾向があります。
そのような過程で新たな高利回りの収益不動産を手に入れるため、自らが所有する中で低利回りの物件を手放して資金をつくります。
また、会社を経営しているような人は、会社の業績が悪くなった場合などに、収益物件を売却して現金をつくることも多々あります。
売り急いでしまい、調べもせずに不動産会社に依頼してしまうと資金はつくれません。
慎重に比較して不動産会社を見つけましょう。
購入価格がペイできたときの転売の場合
投資家は次の投資につなげるために、購入価格がペイできた時点で売却することがあります。
例えば、購入価格が8000万円で平均利回り5%の物件だと、20年の家賃収入で購入価格はペイできます。
そのまま所有し続けて毎月の収入を得ていくことも可能ですが、その不動産を4000万円で売れば、20年間不動産を所有しただけで4,000万円の収入を得ることになります。
この場合でも、腰を据えて売り急がず、高く売れる準備が整ってから売却しましょう。
相続を受けた場合
相続で収益物件を手にした場合でも、相続人が投資に興味がない場合や、お金が必要な場合、また、相続人が複数いて共有の協議が整わない場合など、たとえ利回りが良くても売却されることもあります。
どのような場合でも、かなりの「相続税」を支払うことになるので相続税が支払えるように価格設定して売却することをオススメします。
2.収益物件を売却する際にかかる税金を把握しておく
収益物件を売却したからといって、必ずしも高額の税金がかかるというわけではありません。売却時の状況によって、かかる場合とかからない場合があるので注意が必要です。
特に重要な税金が「譲渡所得税」です。
譲渡所得税とは、不動産を売却したときに「売却益」(買ったときよりも高く売れた場合)があると、その譲渡所得に対して所得税と住民税が課せられるものです。
譲渡所得税を計算する方法は、以下の計算式です。出した譲渡所得に税率をかけて算出します。
譲渡所得税を計算する方法
譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)
また、その税率は以下のように、不動産の所有期間によって異なります。
所有期間 | 税率 |
---|---|
所有期間が売却の年の1月1日時点で5年以下 | 39.63% |
所有期間が売却の年の1月1日時点で5年超 | 20.315% |
また、必ずかかる税金として、売買契約時に「印紙税」が発生します。これは、不動産の売買契約書が「課税文書」という扱いのため、契約書記載の金額に応じて、売主と買主の双方に印紙税が課せられます。
他に、よくある質問で「消費税はかかるのか?」というものがあります。
収益物件の売却というのは、通常の不動産の売却とは異なり、「対価を得て行う資産の譲渡」という扱いとなります。
そのため、買主が個人であっても売却で得たお金は課税対象となるので、売主は課税事業者となる場合がほとんどです(売上が1000万円以上というケースがほとんどのため)。
3.収益物件を売却するときにかかる費用を把握しておく
収益物件を売却する際にかかる諸費用としては以下のようなものが発生します。
仲介手数料
仲介した不動産会社の報酬として、「売買価格の3%+6万円+消費税」が発生します。
仲介手数料は成功報酬のため、契約締結に至っていないにもかかわらず、仲介手数料や、その他のコンサルティング料などの請求をすることは、法律で禁じられています。
その他の実費
遠方物件への査定依頼をしたときなど、交通費などの実費が発生する場合、不動産業者は依頼者にその実費を請求できることになっています。
繰り上げ返済事務手数料
収益物件を購入するときにアパートローンを利用していて、かつ売却時に残債が残っており、一括返済をする場合には、銀行によっては一括返済事務手数料が発生することがあります。
抵当権抹消登記費用
抵当権が設定されている不動産を売却するときには、その抵当権を抹消しなければいけません。この抵当権抹消に対して、登録免許税や司法書士の報酬の支払いが必要となります。
4.売却する収益物件の利回り相場を把握しておく
収益物件の売買価格は、専ら利回りを基準に考えられることが多いです。
その査定方法を「収益還元法」の一つである「直接還元法」といいます。「直接還元法」は想定される年間の家賃収入から適切な利回りを算出し、そこから売却の価格を算出するというものです。
つまり、月の収入と利回りが先にあり、売買価格は二の次という計算方法です。計算方法が簡易なため、一般的に広く利用されています。
なぜ収益物件がそのようなことになってしまうかというと、投資家は金額を決めて物件を探すよりも、利回りを基準に物件を探す場合が多いためです。
物件の価格が高くても利回りが良いのであれば、投資対象として魅力的であるわけです。
具体的に、どのように価格を算出するかを説明します。
例えば1室5万円の部屋を10室有するアパートがあり、満室想定で月の収入は50万円となる場合、1年で600万円の収入が見込めます。その物件のある地域について、投資物件の利回りの相場が10%だとすると、6000万円で買えば、利回り10%の投資物件が出来上がります。
もし、もっと早く手放したいなら、利回りを12%取れるようにするため、5000万円で売ればいいのです。
逆に、投資家が注目するような人気エリアであれば、利回りを8%で設定し、7500万円の価格設定をすることも可能です。
毎年の収入から、固定資産税や管理会社に支払う管理手数料などを差し引いて、残った額で再計算して算出されるのが「実質利回り」となります。
5.収益物件を高い価格で売却するには「利回り」を考慮する
収益物件の売却は通常の居住用物件と異なり、「利回り」という客観的な数字で多くが決まってしまいます。
たとえ古いボロボロのアパートでも、入居率が高くて利回りが良ければ、価格を上げても利回りをキープすることができます。逆に、築浅の物件でも入居率が低く、もともとの利回りが低ければ、価格を下げないと売れる利回りにはなりません。
この「売れる利回り」が非常に重要です。価格が高くても、売れる利回りをキープできていれば売れるし、叩き売りのように安くしても、売れる利回りに満たなければまったく売れません。つまり、「空室が埋まっている」ということが何よりも大事です。
空室を埋めるためには、賃貸仲介業者への広告料を増額したり、リフォームやレンタル家具の設置をしたり、貸主自ら仲介業者へ足を運んで入居促進の営業活動をしたりと、地道な営業活動が必要です。
居住用不動産を売ることと違い、マンション・アパート経営や収益物件を売ることは「商行為」なので、「売れる利回りをつくるための経営努力」が必要になってきます。
下記の特例は収益物件には適用がされないので、売り方を間違うと、手元に残るお金が大きく減ってしまう可能性があることにも注意が必要です。
収益物件売却では適用されない特例
- 「3000万円特別控除」
- 「10年超所有軽減税率の特例」
- 「特定居住用財産買換えの特例」
6.一括査定を利用して適切な価格をきちんと調べる
一括査定を利用することで、複数の不動産会社を簡単に比較することができます。
複数の不動産会社を比較することで、あらかじめ収益物件の売買に強い会社を絞った状態から会社を選ぶことができ、そうすることで、高額で売却できる可能性が高くなります。
また、税金や手数料など、通常の不動産売却とは異なる計算についても相談に乗ってくれる場合があり、面倒な手間がかかりません。
イエトクおすすめの一括査定サイトは「SUUMO 」です。
不動産メディアNO.1の認知度を誇るSUUMOでは、郵便番号または住所を入力するだけで査定が可能です。
大手から地場の不動産までおよそ2000社もの提携不動産があるので、幅広い地域を対応してくれます。
敷金や保証金は返金するの?収益物件売却で入居者に対してすべきこと
収益物件の売買の際、入居者が支払っている敷金や保証金の取り扱いは、関東地方と関西地方で、まったく逆の方法が用いられています。
関東地方では、売主が受け取っている敷金を買主に引き継ぎ、そのまま買主が退去に応じてその敷金や保証金を返還する方法です。
対して、関西地方では、買主は敷金を返還する義務だけを売主から引き継ぎ、受け取り済みの敷金や保証金は受け取ることができません。
そのため、関西地方の収益物件を購入する場合、現在の入居者が退去するときに敷金や保証金の返還義務があることを踏まえて、購入を検討しなければなりません。
これは、地域によって扱いがさまざまなので、依頼する不動産業者にしっかりと確認するようにしましょう。
収益物件の売却までの大きな流れは一般の不動産と同じ
収益物件の売却だからと深刻に考える必要はなく、売却までの流れは一般の居住用不動産とそう大きな違いはありません。
まずは、不動産業者に査定を依頼し、売買価格を決めた後に、売主と不動産会社で媒介契約を締結します。
媒介契約を締結した不動産会社は、レインズに物件の情報を登録し、買主を探す営業活動を行います。
収益物件の多くはあまり広告などで公開されることはなく、日頃から付き合いのある投資家と水面下で取引されることが多く、利回りが良い物件であればあるほどその傾向が強いです。
不動産会社で働いている私でさえ、知らぬ間に大規模な投資用マンションの所有者が変わっていることもあります。
買主が決まったら、通常どおり、契約の締結・決済、引き渡しとなります。
入居者への貸主変更の通知は、基本的に事後報告です(貸主が変更となっても、契約内容に変わりはないため)。
多くの場合は登記完了後に、売主と買主の連名で「所有者の変更のご案内」のような書類を作成します。
そういった書類への記名、捺印を求められる場合もありますが、入居者に安心していただくためなので、協力するようにしましょう。
収益物件の売却に関しても、一般の不動産と同じく査定から始まります。
収益物件を高く売却する査定先の選び方
収益物件を高く売却するには、「収益物件に強い不動産会社」をいくつか選んで査定し、査定額を比較することがベストです。
そのためには、「一括査定サイト」利用することをオススメします。
【一括査定のメリット】
- 無料で複数社に一括査定が依頼できる
- 物件のあるエリアの不動産会社を自動的に選定してくれる
- 査定額を比較できるので、より高く売却できる
まとめ
収益物件の売却は、特に「利回り」が重要ですが、空室対策や価格設定は素人では難しくなります。
早めに一括査定を依頼すれば、査定額を比較して価格設定もより的確にでき、そこから空室対策をしてもらうこともできます。
中でももっとも重要なのは、信頼できる担当者と出会うこと。
複数の不動産会社に相談してみて、信頼できる担当者を見つけましょう。


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