初めての方におすすめ!不動産売却の進め方&不動産会社の選び方
「不動産を売却したいけれど、誰に相談したらよいの?」「不動産売却の進め方やおすすめの方法を知っておきたい…」
初めて不動の売却をする際は、わからないことだらけですよね?
それゆえに、「何から始めたらいいのかわからない…」「どんな準備・手続きをすればよいの?」という悩みを抱える方は少なくありません。
ここでは、不動産売却が初めてのでも失敗や損をしないためのおすすめの進め方や、間違いのない不動産会社の選び方 について、紹介したいと思います。
目次
おすすめ一括査定サイト4選
「一括査定サイトを活用したいけどどれがいいのかわからない...」
そんな人のために、イエトク編集部が独自にピックアップした一押しの一括査定サイトを紹介します。
おすすめするのは以下の4社です。
サイト | 提携会社数 | 運用実績 | こんな人におすすめ | リンク |
---|---|---|---|---|
SUUMO 売却査定 |
2000社以上 |
2009年, |
・できるだけニーズに合った不動産会社を選びたい |
公式 サイト→ |
LIFULL HOME’S |
2026社 |
1997年, |
・匿名査定がしたい |
公式 サイト→ |
イエイ | 2000社以上 |
2009年~ |
・専門家に相談しながら査定依頼がしたい |
公式 サイト→ |
HOME4U | 1500社以上 |
2001年~ |
・セキュリティ面で安心できるサイトを使いたい |
公式 サイト→ |
SUUMO売却査定

使用料 | 無料 |
---|---|
提携会社数 | 2000社以上 |
運用開始年 | SUUMOサービス開始は2009年、 SUUMO売却査定については不明 |
利用者数 | 非公開 |
査定対応地域 | 全国 |
査定可能な物件の種類 | マンション、戸建て、土地 |
最大同時査定依頼数 | 10社 |
- 郵便番号を入力するだけで査定依頼先一覧を確認できる
- 査定依頼先候補を「安心して任せられる」「専門的な相談ができる」「サービスが充実している」の3つの観点で絞り込み、ニーズにあった不動産会社を簡単に見つけられる
- 売却実績、購入希望者の有無等詳細な不動産会社の情報が得られる
リクルート住まいカンパニーが運営する「SUUMO」は、物件購入、売却や賃貸など住まいに関する様々な情報を提供する不動産総合ポータルサイトです。
他サイトでは物件情報、個人情報をすべて入力しないと査定依頼先一覧を確認できないことが多いですが、SUUMOでは郵便番号を入れるだけで査定依頼先一覧を確認できます。
また、「安心して任せられる」、「専門的な相談ができる」、「サービスが充実している」の3つの観点から不動産会社を絞り込むことができ、査定を依頼する不動産会社も選びやすくなっています。
- できるだけニーズに近い不動産会社を選びたい
- 不動産の売却に関して網羅的に情報を集めたい
LIFUL HOME’S

使用料 | 無料 |
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提携会社数 | 2377社 |
運用開始年 | LIFULL HOME’S サービス開始は1997年、 一括査定サービスについては不明 |
利用者数 | 612万人 |
査定対応地域 | 全国 |
査定可能な物件の種類 | 分譲マンション、一戸建て、土地、投資用(一棟物件)、投資用(区分所有)、倉庫・工場 |
最大同時査定依頼数 | 10社 |
- 国内トップクラスの提携社数2026社
- 個人情報を一切使わずに匿名査定ができる
- 買取査定で物件の買取価格も分かる
- 任意売却の相談に対応している
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME’S」は物件購入、売却や賃貸など住まいに関する様々な情報を提供する不動産総合ポータルサイトです。
他サイトでは個人情報の入力を求められることが多いですが、「LIFULL HOME’S」では匿名査定ができるため、査定依頼後営業電話を受ける心配はありません。
また、不動産買取査定サービスを提供していたり、任意売却の相談に専門員が対応していたりと、幅広い”不動産の売却”が可能です。
- 匿名で査定したい
- 買取や任意売却を考えている
- ローンを滞納しそう
イエイ

使用料 | 無料 |
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提携会社数 | 1700社以上 |
運用開始年 | 2007年にサービス開始 |
利用者数 | 400万人 |
査定対応地域 | 全国 |
査定可能な物件の種類 | 分譲マンション、一戸建て、土地、ビル一室、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟、工場・倉庫、店舗・事務所、農地・畑・田んぼ、山林、その他 |
最大同時査定依頼数 | 6社 |
- 専任スタッフに不動産売却に関する疑問や悩みを無料で相談できる
- 査定後、しつこい営業電話等を代行して断ってもらえる
- 特殊な物件の査定を取り扱っている
セカイエ株式会社が運営する「イエイ」は不動産一括査定に特化したサイトです。
「イエイ」では、専任スタッフに無料相談ができるため、不動産売却に関する疑問・悩みを相談しながら査定に進むことができます。
また、不動産会社の営業のお断り代行や、「工場・倉庫」「農地・畑・田んぼ」「山林」等の特殊な物件の査定にも対応しています。
- 初心者で不安なので誰かに相談しながら進めたい
- 工場や農地、山林などを査定したい
HOME4U

使用料 | 無料 |
---|---|
提携会社数 | 1500社以上 |
運用開始年 | 2001年にサービス開始 |
利用者数 | 700万人 |
査定対応地域 | 全国 |
査定可能な物件の種類 | 分譲マンション、一戸建て、土地、 ビル一室、店舗・事務所・倉庫、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟、その他 |
最大同時査定依頼数 | 6社 |
- NTTデータグループと「プライバシーマーク認定」が保証するセキュリティ
- 国内最長の運営歴、利用者数が700万人と国内トップクラス
NTTデータグループが運営する「HOME4U」は、2001年に国内で初めて一括査定サービスの提供を開始したサイトです。
上記3サイトと同様に提携者数、利用者数共に国内トップクラスの「HOME4U」ですが、特に力を入れているのは個人情報保護、セキュリティ構築に力を入れていることです。
情報サービス事業を手がけるNTTデータグループが「プライバシーマーク認定」を取得し、適切なマネージメントの基個人情報に当たっています。
- 運営歴、利用者数などで秀でているサイトが使いたい
- セキュリティ面で安心できるサイトが使いたい
不動産売却では相場感を知ることが不可欠

「所有している不動産、損することなく売却したい」「できることなら、高い価格で不動産を売りたい」。売主としてはこう思うのが普通だと思います。
しかし、失敗しない不動産売却を成し遂げるためには、不動産売却に関する知識やノウハウを身につけるとともに、重要なポイントについてしっかり押さえておく必要があります。
そこでぜひとも押さえておきたいのは、「不動産の相場感を知ること」です。
不動産の相場感を知っておかないと、意外と価値があったのに、安い価格で物件を売ってしまい、損をしてしまう可能性があります。
一方で、高い売却希望価格を設定してしまうことで、物件が売れ残ってしまうリスクが発生する可能性もあります。
物件に適正な売却希望価格をつけて損をしない不動産取引にするためにも、あらかじめ不動産の相場を知っておくことが大切なのです。
不動産価格が不明な時はポータルサイトで類似物件の価格をチェック!
物件の相場感を養うためには、まずは近隣の戸建て住宅やマンションなど、自分が売却したい物件と似ている不動産が実際にいくらで売り出されているのかをチェックしましょう。
物件の売り出し価格は、不動産売買のポータルサイトなどでネット検索をして調べるのが早道です。
特に以下のような大手のポータルサイトなどは、情報収集のツールとして有効だと思います。
売却を検討している物件と、立地条件や築年数、面積などの条件が似ている物件をポータルサイトで探してみて、売り出し価格を確認していきましょう。
ポータルサイトに表示されている売り出し価格は、今後、自分の物件の売却希望価格を決めるうえで参考になるはずです。
査定では「不動産一括査定サイト」を活用するのがおすすめ!
物件の相場感を把握できたら、自分が所有する不動産がいくらくらいで売れそうか、「査定」を受けましょう。
査定とは、売却を検討している不動産を、さまざまな角度から調査して、「査定価格=売却できそうな価格」を不動産会社に出してもらうことです。
査定には、不動産会社に直接依頼する方法もありますが、それより複数の不動産会社から一括で査定価格の情報が収集できる「不動産一括査定サイト」を利用する方法をおすすめしたいと思います。
不動産一括査定サイトとは、物件の住所・面積・間取りなどの必要事項を入力すれば、複数の不動産会社から査定価格などの査定結果が届くサイトです。
これから、不動産一括査定サイトのメリットと注意点について解説していきます。
不動産一括査定サイトを利用する5つのメリット
- 査定価格を複数の不動産会社から一括して取り寄せられる
- 入力・手続きがネット上で完結
- 査定結果の連絡が早い(当日中に届くことも)
- 不動産会社に出向く必要はない
- 不動産一括査定サイトの利用は無料
不動産一括査定サイトの最大のメリットは、査定価格を複数の不動産会社から一括して取り寄せられることです。
それぞれの不動産会社の査定価格を比較しながら、自分の物件がいくらくらいで売れそうか、効率的に把握することができます。
また、査定結果の連絡も早ければ当日中に届くというのも、不動産一括査定サイトの大きなメリットです。
さらに、不動産会社に直接、査定を依頼する場合は有料にしているところもありますが、不動産一括査定サイトだと無料で査定を受けられます。
不動産一括査定サイトの注意点は?
- 詳細な査定でないので、精度の高い査定価格ではない
- 査定価格は不動産会社ごとに異なる
- 必ずしも査定金額で売却できるとは限らない
- 高すぎる査定価格を提示してきた不動産会社に注意
不動産一括査定サイトによる査定は、物件を見ないで行う「簡易査定(机上査定)」であるため、精度の高い査定価格ではない点は注意が必要です。
また、不動産会社はそれぞれ、立地要素(徒歩・バス時間、路線・駅、都心アクセスなど)や、物件の属性要素(築年数、面積、階数など)、売買実績に基づく相場の変動など、独自のデータを持っています。
それらデータをもとに不動産会社は査定価格を出しますので、価格のバラツキが生じる点は押さえておきたいところです。
必ずしも「査定価格=売却できる価格」であるとは限らない点も注意したいところです。
「その不動産を買いたい」と名乗り出る人がいなければ、査定価格より値下げするケースも出てくるでしょう。
査定価格はあくまでも、売り出し価格を決めるベースとなる価格であることを認識しておきましょう。
さらに、各不動産会社から出てきた査定価格を比較してみて、高すぎる査定価格を提示してきた不動産会社には注意が必要です。
高い査定価格で依頼者をひきつけ、「媒介契約」を締結した後に、出された査定価格では売却が決まらず、結果的に値下げなどの望まない条件変更を余儀なくされるパターンもあり得るからです。
おすすめの不動産一括査定サイトは?
不動産メディアNO.1の認知度を誇るSUUMOの"不動産売却・査定の情報サイト"です。
マンションから戸建て、土地など様々な不動産の一括査定ができます。
また、査定したい不動産の、郵便番号または住所を入力するだけで査定が可能なのも、SUUMOのうれしいポイント。
そして、大手から地場の不動産までおよそ2000社もの提携不動産があるので、幅広い地域を対応してくれます。
不動産の価格は景気によっても左右されるもの。「売却をしようかな」と思った今が査定をするタイミングとも言えます。
是非一度SUUMOの一括査定で、ご自身の不動産を査定してみてください。
何を基準に決める?不動産会社選びの4つのポイント

世の中にたくさんある不動産会社の中から、不動産売却を任せられる自分に合った会社を選ぶのはなかなか難しいことです。
では、どのような会社に不動産売却をお願いすればよいのでしょうか。不動産会社選びのポイントを紹介しましょう。
(1)売主であるあなたの考え・思いを汲んでくれる不動産会社を選ぼう
不動産売却の主人公は、不動産会社ではありません。売主であるあなた自身です。
そんな売主の考えや思いを汲んでくれて、そのために実行に移してくれる不動産会社を選びましょう。
不動産売却では高額なお金が動く分、不動産会社には売却までのスピードや広告宣伝力、担当者の能力や人柄など、売主に対して満足度の高いサービスが求められます。
こういった満足度の高いサービスを提供してくれる不動産会社というのは、売主の考えや思いを汲んでくれるところが多いのです。
まずは自分が不動産売却で気になること、譲れないことなどを書き出してチェックリストを作成し、それらをクリアしている不動産会社かどうか、確認してみましょう。
項目 | チェック |
---|---|
物件のある地域に、不動産会社や、その支店がある | □ |
不動産売却について実績のある不動産会社である | □ |
不動産会社の担当者が親身になって話を聞いてくれる | □ |
不動産会社の売却前後のフォロー体制が十分である | □ |
査定価格と売却希望価格の差が10%以内である | □ |
上のチェックリストは、あくまで一例に過ぎません。
ほかに「こんな会社だったら依頼したいな」「自分だったら、会社にはこんなことをしてほしいな」といった事項を書き出してチェックリストに加え、「〇」や「×」をつけてスコアリングしてみて、不動産会社を選ぶのは有効な方法だと思います。
(2)宅建業者の免許番号を確認しよう
不動産業を営む場合、不動産会社は宅地建物取引業者(宅建業者)の免許を受けなければなりません。
その宅建業者に付与されている免許番号は、不動産会社の信用度や実績のある会社かを見る目安となるので、ぜひチェックしましょう。
例えば、宅建業者の免許番号は以下のように表示されます。
東京都知事(1)第00000号
注目してもらいたいのは、カッコの中の番号です。
宅建業者の免許は5年に1度のペースで更新されますが、その都度、カッコ内の番号が1つずつ増えていきます。
つまり、カッコ内の番号が大きくなればなるほど、その不動産会社は大きなトラブルなどを起こすことなく長く不動産業を続けられている実績のある会社といえます。
免許番号の見方の例
■「東京都知事(1)第00000号」と記載されている不動産会社の場合 →免許が1回しか更新されていないので、実務経験が浅い
■「東京都知事(4)第00000号」と記載されている不動産会社の場合 →免許が4回も更新されているので、長く不動産業に携わっている
宅建業者の免許番号にあるカッコ内の番号は、信頼できる不動産会社かどうかの判断材料として活用できます。
(3)不動産会社の担当者やスタッフの取得資格をチェックしよう
不動産会社の担当者やスタッフが宅建士資格(正式名称「宅地建物取引士」)を取得しているかどうかも、不動産会社を選ぶ際の目安になります。
宅建士は国家資格であり、不動産取引に関わる重要な事項を説明することができる資格です。
そんな宅建士を保有しているスタッフが多いかどうかも、不動産会社選びの重要なポイントになります。
不動産会社は、1つの事務所において、従業員5人につき1人以上の割合で宅建士の設置を義務付けられています。
不動産会社の多くのスタッフが宅建士資格を取得しているということは、スタッフたちの業務に対するモチベーションの高さの表れともいえます。
その他にも、ファイナンシャルプランナー(FP)や住宅ローンアドバイザーなど、不動産に関連した資格を保有しているスタッフがいる会社であることも、不動産会社選びの判断材料にしてよいでしょう。
取得資格については、担当者やスタッフの名刺に書かれていることが多いので、対面相談をする際にチェックしてみてください。
(4)不動産会社選びの最後の決め手は「担当者との相性」
不動産会社をどのように選んでよいのかわからなくなった場合、最終的には「担当者との相性」を決め手にしてもよいでしょう。
売却の実務経験が豊富である担当者であるからといって、売主である自分にとってよい担当者とは言い切れません。
実際に不動産会社へ出向いた際の雰囲気はどうか、担当者は自分の考えや思いを汲んでくれる人なのか、といった「心」で感じたことも大切です。
もし、いくつかの不動産会社をして訪ねてみて甲乙つけがたい場合には、どの担当者なら自分とフィーリングが合うかを決め手にして選ぶとよいでしょう。
不動産売却前にまず確認しておくこと
初めての方にとって不動産売却は慣れないことばかり。どのような準備をすればいいのかわからず、悩んでしまう方も多いのではと思います。
不動産売却をスムーズに進めるためにぜひ準備しておきたいことについて、これから紹介していきます。
(1)不動産の名義を登記簿で確認する
登記簿とは、「登記簿謄本」「登記事項証明書」などとも呼ばれており、「土地や建物は誰が所有しているのか」「面積がどれだけあるか」「担保に入っているか」など、不動産に関するさまざまな情報が記載されている帳簿のことで、不動産取引の際には必要になるものです。
なぜ登記簿の確認が必要なのでしょうか? それはその不動産(土地・建物)が誰の名義になっているのか?を知っておく必要があるからです。
例えば、自分が建てた家であっても、「土地の名義人は亡くなった祖父の名義のままだった」「父親と共有名義だった」といったケースは実はよくあることなのです。
基本的に不動産はすべての名義人が同意しない限り売却することはできません。
こういった事態を前もって想定しておき、のちのち対策を取るためにも、登記簿の確認は必ず行いましょう。
登記簿は所定の手数料を支払えば、誰でもどの物件でも閲覧できます。
登記簿を取り寄せるには、次の4つの方法があります。
- 法務局へ行って交付請求する
- 法務局へ郵送で交付請求する
- オンラインで交付請求する
- オンラインで閲覧する
(2)土地の境界を確認する
境界とは土地の境目のことです。なぜ境界の確認が必要かというと、境界が明確になっていなければ売買することができず、隣人とのトラブルに発展することがあるからです。
特に戸建て住宅や土地の場合にいえることですが、新しく取得した物件であれば、隣地との境界は明確になっていると思いますが、先祖代々受け継いできた不動産の場合だと、境界があいまいになっているケースをよく見受けられます。
境界があいまいだったり、不明な場合、不動産を売却したいのであれば、隣地の人などに立ち会ってもらい、境界を確定する作業が必要になります。
その際、自分や隣地の人だけでは作業がスムーズにいかないこともありますので、不動産会社の担当者にも立ち会ってもらうとよいでしょう。
不動産売却の3つの方法、どれを選べばいい?

不動産を売却する方法には、次の3つがあります。
- 仲介:不動産会社を介して不動産を売却する
- 買取:不動産会社に不動産を買い取ってもらう
- 個人売買:自分自身の手で不動産を売却する
不動産売却が初めての方なら、ほとんどの方が仲介を選択しています。
買取は、「不動産を早く売りたい」「不動産が売れない」という方が選択することが多いのですが、仲介に比べて売却価格が低くなるケースが多く、相場より60~70%ほどの価格で買い取られるのが一般的です。
また、個人売買の場合、自分で不動産売却の準備・手続き、買主との交渉・契約締結などを行わなければならず手間がかかるため、初心者には向きません。
仲介の場合、不動産会社を売却してもらうための契約を結びますが、その契約でも注意すべきことがあります。
仲介の場合、媒介契約を選ばなくてはいけない
不動産会社を介して売却する「仲介」が、おすすめな方法だと思いますが、その仲介の場合、「媒介契約」といって、買主のとの間を取り持ってもらうための契約を結ばなければなりません。
媒介契約には次の3つの種類があります。
(1)一般媒介契約
売主が複数の不動産会社に、同時に売却を依頼できる媒介契約です。その間、売主自身が買主を探すこともできます。
不動産会社の担当者としてはやる気が下がる契約なので、不動産売却までたどり着けないケースが多いです。
(2)専属媒介契約
契約を取り交わす不動産会社は1社のみですが、売主自身が買主を探すこともできる媒介契約です。
不動産会社も売主もそれぞれが良い意味での緊張感を保てる関係といえます。
(3)専属専任媒介契約
専属媒介契約と内容は似ていますが、必ず契約を交わした不動産会社を通さなければならず、自分で買主を探すこともできない媒介契約です。
売主側としては、契約の拘束力が強い印象があり、不動産会社が積極的に動いてくれないと、売却のタイミングを逃してしまうケースもあり得ます。
3種類の媒介契約の中でおすすめなのは、(2)専属媒介契約です。売主も不動産会社もお互いにメリットを感じられる媒介契約といえるでしょう。
不動産売却の流れと売却までの期間の目安は?
不動産の売却はどのような流れで動いていくのでしょうか。
一般的な不動産の仲介会社を利用した売却活動の場合、これから述べる8つのステップで進んでいきます。
自分がどのステップでどんな準備や手続きをしていけばよいのか、売却までの期間はどれくらいなのか、これから1つずつ解説していきます。
不動産売却の一般的な流れ(売却仲介の場合)
まずは、一般的な流れから解説していきます。
ステップ1:自分の物件の相場を調べる
物件の相場を調べるのに最も身近で便利なのが、不動産会社のポータルサイトです。
自分の物件とよく似た物件を検索して、その売り出し価格をチェックして、相場感を養っておきましょう。
ステップ2:不動産一括査定サイトで物件の簡易査定を受ける
不動産一括査定サイトで、簡易査定による査定価格を、複数の不動産会社から無料で一括して取り寄せられます。
各不動産会社の査定価格を比較しながら、自分の物件がいくらくらいで売れそうか、把握しておきましょう。
ステップ3:不動産会社選びも兼ねて、複数の不動産会社に訪問査定を受ける
不動産一括査定サイトでわかった査定価格をもとに、不動産会社の担当者が実際に物件を見て行う「訪問査定」を、複数の不動産会社に依頼します。
訪問査定の際に、不動産会社の担当者と会って話をする機会が得られます。気になることがあればどんどん質問して、不動産会社選びの参考にしましょう。
ステップ4:依頼する不動産会社を決めて、媒介契約を結ぶ
物件の売却仲介を依頼する不動産会社を決めて、媒介契約を結びます。
契約後には不動産会社の担当者と、不動産売却のための方針や必要な準備・手続き、タイムスケジュールなどについてしっかり話し合いましょう。
ステップ5:物件を売り出し、買主を募集する
不動産会社は査定価格をもとに物件の売り出し価格を決め、不動産の情報交換のためのコンピューターネットワークシステム「レインズ」に物件情報を登録、広告宣伝をして買主を募集します。
不動産会社の担当者とは、物件について買主の募集状況はどうなっているのか、どのような広告宣伝をするのか、都度話し合いましょう。
ステップ6:購入希望者と売買条件の交渉をする
購入希望者が現れたら、実際に物件を見てもらう「内覧」の対応をします。
購入希望者が物件を気に入った場合は、希望購入価格や契約日、物件の引き渡し日などが記入された「購入申込書」が提出され、売買条件の交渉に入ります。
交渉の際には、物件の状況や設備など、詳細な物件情報を購入希望者に提示して、売却価格や契約日、物件の引き渡し日など、もろもろの条件について話し合います。
ステップ7:交渉が成立し、売買契約を結ぶ
売却価格や条件に折り合いがつき、購入希望者が納得したら、売買契約を結び、売買契約書を取り交わします。
この際、売却代金のうちから手付金(売却代金の20%程度が一般的)を受け取ります。売買契約のタイミングで不動産会社に仲介手数料(半額または全額)を支払うケースもあります。
ステップ8:物件を引き渡す
物件をスムーズに引き渡せるよう、不動産会社の担当者から説明を受けつつ、必要な書類の準備や引っ越しなどを行います。
物件の引き渡し日に、買主に物件の権利証と鍵を引き渡し、所有権が移転します。売却代金の残りの金額を受け取りますが、住宅ローンの残債がある場合は一括返済をします。
このタイミングで不動産会社に仲介手数料を全額、支払います。売買契約時に仲介手数料のうち半額を支払っているケースなら、物件の引き渡し時に残りの半額を支払います。
どれくらいの期間で不動産を売却できる?
物件の条件や価格などによって、物件の売却を決めてから実際に売却するまでの期間に違いはあります。
実際に不動産一括査定サイトを利用して不動産を売却できた方たちに、売却までどれくらいの期間を要したのかを聞いてみたところ、多くの方が3ヶ月ほど、早い方でも1ヶ月ほどで売却できたとの回答が得られました。
ちなみに、不動産一括査定サイトを利用して物件を売り出した方たちの多くが、査定価格より売却価格がアップしていることがわかりました。
【まとめ】不動産一括査定サイトの活用から始めてみよう
不動産売却を検討する上で、まずは不動産一括査定サイトの活用をおすすめします。
自分の物件の査定価格を、無料で複数の不動産会社から一括して取り寄せることができます。
どの不動産会社の査定価格が高いか低いかを比較できるだけでなく、売却を依頼する不動産会社選びの参考にもなりますよ。
監修者
飯田 道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、宅建建物取引士合格者、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務後、 FP資格を取得。
現在は、執筆をメインにしながらセミナーや相談業務を行っている。実家が不動産賃貸物件を所有していたため、幼いころから不動産は身近なものであった。
不動産販売会社の営業サポートの経験もあり、売主・買主の生の声を聞く機会を得て、FP業務に役立てている。