不動産売却の流れと初心者でも損をしないための注意点
不動産を売却する機会は、なかなかありません。
そのため、いざ不動産を売却する立場になったとき、何をしたらいいかわからない方が多いです。
初心者が不動産売却で損をしないために重要なのは、不動産売却の流れを理解しておくこと。
この記事では、不動産売却の流れを順に説明しながら、各工程で行なうべきこと、注意点をお伝えします。
まず初めに、不動産売却の流れを図解で解説します。
おおまかに以下7つのステップで進みます。

それでは本文から、それぞれのステップについて注意点などを解説していきます。
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まずは準備! まとめるのは売却理由、希望条件と必要情報
不動産売却をする際は、まず以下のような事前準備をして、売却理由を明確にしましょう。
売却理由を明確にすることで、不動産の売却価格や時期など、条件のイメージをもつことができ、不動産売却の計画を立てやすくなります。
不動産を売却する理由や目的を明確にする
不動産の売却理由や目的は、人によって違います。
たとえば、子どもが成長して手狭になった、離婚するので共有財産を処分したい、子どもが独立して夫婦だけでは広すぎるので住み替えたい、など。
いつ頃売りたいのかなど、希望条件を整理する
売却理由が明確になれば、いつまでに売却したいかなどの希望条件が整理できます。
もし、買い替えを考えている場合は、売却が遅れると次の不動産を購入する資金計画に影響が出ることも。
こうした条件を総合的に考えていくと、不動産の売却をスタートする時期が見えてきます。
土地の境界線を確認する
所有している不動産の境界線についても、売却を進める前に改めて確認しておきましょう。
不動産を売却する際は、正確な面積を確定する必要があります。
境界線はご近所トラブルとしてよくありがちですので、売却前に正確な土地の境界線を知っておくと安心です。
自分の不動産の売却相場を知りたい! おすすめの方法2つ

不動産を売却するなら、損をしたくないしできることなら高く売りたいですよね。
そのためには、所有する不動産の売値の相場をあらかじめ調べておきましょう。
相場を知る事で、「もう少し価値がある不動産なのに相場より安く売ってしまう」「悪徳不動産に安くたたき売りされてしまう」などを回避することができます。
自分で物件の相場を調べる方法は、以下ふたつです。
1:SUUMOなどの不動産会社のポータルサイト
最も手軽な方法は、SUUMOなどの不動産会社のポータルサイトで、条件が似た物件の売値をチェックする方法です。
同じ条件の物件はなかなかないので、あくまで参考価格を知る形になります。
注意点
ポータルサイトの値段はとても参考になりますが、あくまでも売られている価格であり、売却ができた価格ではないため注意が必要です。
2:査定の依頼をする

自分の不動産がいくらで売却できるのかは、相場を知る事と同様大切です。
悪徳な不動産会社に安くたたき売りされないためにも、しっかりと査定をしておきましょう。
所有物件の査定を依頼する場合は、以下いずれかの方法となります。
不動産会社に一括査定を依頼する(簡易査定/机上査定)
不動産の一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社に査定を依頼できます。
その場合、「簡易査定」や「机上査定」などを選択すれば、物件の立ち合いなしで、物件の情報を入力するだけで簡易的な査定が可能です。
不動産会社によって査定金額の差はありますので、査定額の平均値を参考にするといいでしょう。
おすすめの一括査定サイトは「SUUMO売却査定」です。
不動産会社に直接訪問してもらって査定する(訪問査定)
実勢値に近い査定をしてほしい場合は、不動産の一括サイトで「訪問査定」を選択しましょう。
訪問査定の場合は、物件に不動産会社の担当者が足を運び、査定を行ないます。
上記いずれの方法の場合も、SUUMO売却査定などの一括査定サイトを利用すると便利です。
仲介会社を選ぶときに損しないためのpoint
不動産を売却する際は、基本的には不動産会社に売却の「仲介」を依頼し、買い手を見つけてもらう必要があります。
そして、この不動産会社選びは、よりよい条件で不動産を売却するために非常に重要です。
なぜなら、不動産会社が行う物件の紹介や広告宣伝次第で、買い手に伝わる物件の魅力は異なり、不動産を売却できる期間や売値にも影響があるからです。
では、どのようなポイントで、不動産会社を選んだらよいでしょうか。
不動産会社を選ぶポイント
不動産会社を選ぶ3つのポイントと、その理由を説明していきます。
point1 自分の希望や条件に合った不動産会社を見つける
自分の希望や条件に合った不動産会社を見つけることは、納得のいく取引をするために非常に重要です。
不動産売却の希望条件となるのは、価格と販売までの期間。
どちらにこだわるかは、不動産の売却目的によって違うでしょう。
たとえば、時間がかかっても高く売ることにこだわりたい、事情があって早く売却したいので価格よりもスピードを重視するなどです。
こうした希望条件と、所有する不動産の種類(マンションか一軒家か、立地など)によって選ぶべき不動産会社は異なります。
なぜなら、不動産会社ごとに得意な物件の種類、販売エリアがあるからです。
◆不動産会社の特徴1.大手の不動産会社
大手の強みは、認知度と資金力です。
買い手側は、聞いたことのある大手の不動産会社に安心感をもつ傾向があります。
そして、大手は資金力があるため積極的に広告宣伝を行っていることが多く、広範囲に物件の情報を届けられます。
そのため、地方からも購入希望が入るニーズの高い都市エリアの物件は、大手不動産会社を選ぶといいかもしれません。
また、大手の不動産業者は、買い取り保証サービスをしていることもあります。
買い取り保証とは、売り出し当初は仲介売買の買い手を探し、一定期間たっても買い手がみつからなかった場合は、不動産業者が指定する値段で買い取ってくれるサービスです。
たとえば、住み替えを考えていて、新居の購入資金を捻出するために早く物件を売りたい方には安心できるサービスです。
◆不動産会社の特徴1.中小・地域密着型の不動産会社
中小・地域密着型の不動産会社の強みは、地元の情報に強く、ポスティングなど地域密着型の宣伝をしてくれること。
とくに地方の物件の場合は、すでにそのエリアに住んでいる人が不動産を購入する場合が多いため、地域密着型の広告が有効です。
point2 会社だけではなく、担当してくれる営業との相性や誠実さも大事
実際にあなたを担当する営業担当者が誠実か、自分との相性がよいかも非常に重要です。
不動産の売却が完了するまでには3ヶ月~半年、長ければ1年くらいかかることもあります。
その間、不動産業者の担当者と連絡を取り合うことになるので、担当者が売り主に対して誠実で、安心した付き合いができるのか、必ずチェックしましょう。
point3 たくさんあって選べない方は、「一括査定サイト」利用後に査定の連絡をしてきた不動産会社がおすすめ
不動産会社は非常に数が多く、自分で選ぶことが難しい場合もあるでしょう。
そんな場合は、一括査定サイトを利用して、連絡がきた会社の中から選ぶという方法もあります。
一括査定サイトを利用するメリットは、物件情報などの必要情報の入力が一度で済むこと。
一社一社不動産会社を訪ねることなく、複数の不動産会社から査定金額の提示を受けられます。
そして、そのやり取りから、対応スピードや担当者との相性などを比較して検討できます。
不動産会社と結ぶ3種類の媒介契約とその特徴

これまで紹介してきた観点で不動産会社を選んだら、売買の仲介を依頼するための媒介契約の締結を行います。
媒介契約とは、不動産の売り手と買い手を仲介する不動産会社と、依頼主が結ぶ契約です。
具体的には、仲介サービスの内容や、仲介手数料などを明示した書類を取り交わします。
媒介契約には、以下のような3つの種類があります。
一般媒介契約
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に取引の仲介を依頼できる契約形態です。
自分で人脈をたどるなどして、買い手を見つけることも可能です。
ただし、「不動産流通標準情報システム(レインズ)」という不動産業者のみが登録・利用できる不動産ネットワークへの掲載義務がなかったり、不動産会社によっては広告費をかけなかったりするなど、熱心に営業をしてもらえない可能性があります。
専任媒介契約
専任媒介契約とは、1社の不動産会社にのみ仲介業務を依頼する契約です。
ほかの不動産会社と契約できませんが、売主自身が買い手を見つけることも可能です
自分で買い手を見つけた場合は、不動産会社に仲介費用を支払う必要はありませんが、それまでに発生した営業経費を不動産会社から請求される可能性があります。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約とは、仲介を1社の不動産会社に限定して依頼する契約です。
ほかの不動産会社と契約できないため、依頼された不動産会社は積極的な営業活動をすることが求められます。
また、自分で買い手を見つけた場合は、契約した不動産会社を通して仲介手数料を支払う必要があります。
このように、媒介契約にはいくつか種類があります。
信頼できる不動産会社が見つかった場合には、専任媒介契約や専属専任媒介契約を検討してもよいでしょう。
不動産が行う販売活動の内容と要チェックすべき点

媒介契約を結んだ後は、不動産会社はどのような営業活動をするのでしょうか。
順を追って説明します。
物件情報を公開し、買い手候補となりうる人に告知する
不動産会社の担当者は、買い手を見つけられれば、不動産会社は仲介手数料を売り主・買い手の両方から得られます。(「両手仲介」といわれます)
そのため、担当者はまず自社の顧客で不動産を探している人に情報を流します。
並行して、宣伝広告費を使って不動産情報サイトに物件情報の掲載、ポスティングを実施。
こういった営業活動が実を結んで、物件を売却できるまでには、一般的に3ヶ月~半年ほどかかります。
もし、半年を過ぎても物件に買い手がつかない場合は、以下のポイントをチェックしてみましょう。
不動産会社が「囲い込み」をしていないか?
囲い込みとは、不動産会社が両手仲介を狙って、自社以外の買い手がいるのに販売していない状態を指します。
もし、依頼した会社以外からの見学者がまったく現れない場合は、物件の情報を外部に公表していない可能性があります。
相場より高すぎる金額で売りに出していないか?
相場より高すぎる価格で売り出していると買い手はつきません。
買い手がつかないときは、売値が妥当な金額となっているか見直しましょう。
購入希望者が現れたらする対応
購入希望者が現れたら、物件の内覧などの対応をします。
場合によっては、物件の価格に対して値下げなどの交渉が入ることもあります。
値下げの交渉に対しては、不動産会社の担当者と相談しながら、なるべく有利な条件で売却できるように進めていきましょう。
買主との売買契約!具体的には何をする?
購入希望者と、価格や条件などの折り合いがついたら、売買契約を結びます。
売買契約とは、売り主が不動産の財産権を買い手に移転し、買い手が購入代金の支払いを約束する契約のことです。 このタイミングで、買い手は売主に不動産価格の約5~10%の手付金を支払います。
そして、売主は不動産会社に仲介手数料の半額を支払い、仲介手数料の残りは、物件の引き渡しの際に支払います。
最後は不動産の引き渡し!確定申告も忘れずに

売買契約で決めた引き渡し時期までに、買い手から契約で定めた金額を受け取り、不動産と鍵、権利書などを買主に引き渡したら、売却は完了です。
もし、ローンが残っている場合は、このときにローンを一括返済し、抵当権の抹消を行ないます。
不動産売却後には確定申告が必要
不動産を売却して利益がでた場合は、会社員の方でも確定申告が必要になります。
確定申告のタイミングは不動産を売却した翌年に実施します。
不動産売却後の確定申告については、「不動産を売却した後、確定申告をするときに知っておきたい基礎知識」をご確認ください。
まとめ|流れが理解できたらまず一括査定からはじめよう
不動産売却のおおまかな流れは、事前準備、不動産相場の確認、不動産会社を選んで媒介契約を結んで販売を開始します。
そして、購入希望者が現れたら条件を交渉、売買契約を結んで物件を引き渡します。
大まかな流れをつかんだら、まずは「suumo売却査定」などの一括査定サイトを利用し、不動産の相場を把握し、査定額を比較してみましょう。
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監修者
井上 徹(いのうえ とおる)
宅地建物取引士・不動産ADR調停人資格・賃貸不動産経営管理士
不動産業界歴30年以上を誇り、(株)フォーリア代表取締役。1999年に資産管理会社である同社を設立し、その後、(株)イエステーション本部の設立参加を経て、現在は(一社)投資不動産流通協会の理事長なども務める。売買仲介から賃貸系事業、不動産資産運用のコンサルティングまで幅広く展開。2016年には賃貸系業務報告書作成プログラムの特許を取得。 ■Webサイト 株式会社フォーリア https://for-real.co.jp/