マンション購入で後悔した理由ランキング!失敗談から成功法を学ぼう
マンションの購入は、多額な費用がかかるので、人生でそう何度もあるものではありません。
そのため、事前にしっかり物件を確認したうえで、購入に望んでいる人がほとんどでしょう。
しかし、その際に良い選択をしたつもりでも、見落としや予想外の出来事があとから発覚するケースも少なくありません。
マンションの売買においては、小さな見落としや想像力の不足が、大きな後悔につながってしまうことが多々あるのです。
ここでは、マンションの購入で、後悔している人の体験談と、アドバイスをご紹介します。
先輩たちの悲痛な声に耳を傾け、マンション選びを成功させるために、ぜひ参考にしてください。
目次
マンション購入でみんなが後悔したことランキング!
経験者の声は非常に参考になります。
そこで、マンションの購入者に、後悔していることのアンケートを取りました。
すると、後悔の内容には、ある共通事項があることがわかります。
以下、ランキングにまとめました。
<マンション購入後に後悔したことランキング>
順位 | 項目 | 人数 |
---|---|---|
1位 | 隣人トラブル | 21 |
2位 | 金銭的負担 | 19 |
3位 | 部屋選び | 18 |
4位 | 周辺環境・立地 | 10 |
5位 | その他(マンション設備など) | 10 |
6位 | マンションの老朽化 | 8 |
では、実際の体験談を元に見ていきましょう。
【第1位】隣人トラブル

マンション購入者が抱える後悔の第1位は「隣人トラブル」です。
隣人トラブルは、戸建て住宅でもありがちな話です。マンションの場合、バルコニーで隣の人と目が合ってしまうことも。
隣以外に、階の上や階の下の騒音やタバコなど、なかなか気を使うことも多いようです。
違う階にすれば良かったと後悔。<中古マンション購入/30代女性>
「最も後悔したことは隣人トラブルです。
中部屋で、片方はベランダでタバコを吸う人、もう片方はヒステリックな奥さんが時々うるさくて困っています。
隣人は選べないので運が悪いだけかもしれませんが、違う階にすればよかったと後悔しています。」
<中古マンション購入/30代女性>
ピアノ音がうるさくて落ち着かない<新築マンション購入/30代女性>
「隣のお子さんが朝から夕方までピアノの練習をしていて、うるさくて落ち着きません。
防音対策や、練習時間を短くすることをお願いしましたが、『ピアノの音は生活音だ!』といって全く取り合ってくれません。」
<新築マンション購入/30代女性>
バルコニーに出るたび犬に吠えられストレス<新築マンション購入/30代男性>
「マンションがペット可なのは承知でしたが、両隣とも犬を飼っていて、バルコニーに出るたびに吠えられストレスです。
また、バルコニーや通路など共有部の喫煙は禁止なのに、隣の部屋のタバコの匂いが流れてきて、それもストレスに感じます。」
<新築マンション購入/30代男性>
【第2位】金銭的な負担

第2位は、「金銭的な負担」です。
購入当初は価格に納得しているはずなのですが、ローンの返済などによって、あとから負担を実感するケースも多いようです。
皆さんの声を早速聞いてみましょう。
返済が大変で生活に支障<新築マンション購入/50代男性>
「新築マンション購入への憧れがあり、今では考えられないくらい高い金利の融資を受け、返済が大変で生活に支障が出ました。
繰り上げ返済や借り換えでなんとか落ち着きましたが、無理してローンを組むのはよくないと思いました」
<新築マンション購入/50代男性>
管理費や修繕積立金が年々上昇<中古マンション購入/30代女性>
「築年数も若くなく、管理費や積立金がもともと高いマンションなのに、年々上昇。とうとうローン返済金額を上回ってしまいました。
このまま払い続けると賃貸よりも高くなってしまい、マンション購入の意味がなくなってしまいます。」
<中古マンション購入/30代女性>
35年の住宅ローンが返せるか心配<新築マンション購入/30代男性>
「住宅ローン35年で、70歳まで支払い続けることが心配だったものの、結局購入してしまいました。
長い目で見れば所有物になるから、と割り切っていますが、どうしても年を取るとともに心配になってしまいそうです。」
<新築マンション購入/30代男性>
【第3位】マンションの部屋選び

続いて後悔ランキングの第3位は「部屋選び」です。
部屋の中も見学して決めたはずなのに、意外にも上位にランクインしています。
具体的な体験談を見ていきましょう。
4LDKが良かったのかもと後悔<中古マンション購入/30代男性>
「3LDKで購入しましたが、子どもがいるので部屋数がもっと欲しいと感じました。
だんだん荷物や収納スペースが増えてきたので狭くなっており、4LDKくらいがちょうどよかったのかも?と少し後悔しています」
<中古マンション購入/30代男性>
子どもの成長で広いところへ引っ越しを検討中<中古マンション購入/50代男性>
「子共が大きくなってきたので、少し広いところに引っ越しを検討してます。
資金面や、今の古いマンションが売却できるのかという問題もあって悩みどころです。
あと数年我慢して、子どもが独立するまで待つかどうかを考えています」
<中古マンション購入/50代男性>
南向きなのに日が当たらず冬場が寒い<新築マンション購入/30代男性>
「立地は駅から徒歩5分の角部屋、南向きリビングで好条件に感じますが、部屋の窓が東側で、思いの外日が当たらず、冬場は結構寒いです。
7階に住んでいますが、南側のリビングには日が入らず一日中薄暗いので、昼間でも電気を付けています。
南向きでもそのようなことがあるのだと買ってから知りました。」
<新築マンション購入/30代男性>
【第4位】周辺環境や立地

第4位には「周辺環境・立地」がランクインしています。
購入する前に周辺環境や立地条件についてはチェックしていても、実際に暮らしてみて改めて気がつくこともあるようです。
コンビニが遠く不便<中古マンション購入/50代男性>
「もっとも後悔したのは、コンビニが遠いということです。
近隣にスーパーがあるとはいえ、閉店時間が決まっているので、夜に何か必要になったときにコンビニがないのはとても不便です。
また、スーパーだと朝早くは営業していないので、それも不便に感じています。」
<中古マンション購入/50代男性>
夜暗いし坂が多いなど不便だった<新築マンション購入/50代男性>
「最寄駅から遠くて夜は電灯がないので怖いし、坂が多くて参りました。
近くにコンビニもなくてとても不便なところで、住むのはとても大変な場所でした。
当時はあまり感じませんでしたが、今考えると失敗したのかなと思います」
<新築マンション購入/50代男性>
【第5位】その他(マンションの設備など)

第5位は、その他・設備に関すること全般でした。
販売資料などでは読み取れなかった設備仕様が、暮らしてみてから自分たちに合わないということに気がついたという事例が多いようです。
お風呂に追い焚き機能がなかった<中古マンション購入/50代男性>
「子どもが小さいうちは妻と子が同時に入浴、私は朝シャワーで特に不便は無かったのですが、子が一人でお風呂に入るようになると不便に感じるようになりました。
あとで入るときには冷めていて、お湯の温度を上げて足し湯するのも、温まるためにシャワーにするのも面倒ですし、不経済です」
<中古マンション購入/50代男性>
機械式駐車場で車高さの制限がある<中古マンション購入/30代女性>
「機械式駐車場で車高さの制限があったり、車庫の幅も狭く、車が限定されてしまうため、少し悩んでいます。」
<中古マンション購入/30代女性>
【第6位】マンションの老朽化

第6位は「マンションの老朽化」です。
基本的に住宅は、古くなればいろいろな不具合が発生します。
以下の体験談は、マンションという集合住宅ならではの事情も関係しています。
築45年以上経過して修繕箇所がたくさん発生<中古マンション購入/40代男性>
「築45年以上経過しているマンションで、耐震や水道管など、修繕しなければいけない箇所がたくさん発生しており、団地では①修繕、②改修、③新築(建て替え)のアンケートを取って決議しようとしています。
新築にするには、80%以上の賛成を取り付ける必要がある状況です。
しかし、住人の大半は高齢者で、その多くが修繕だけでいいと思っているようで、全く賛成が得られません」
<中古マンション購入/40代男性>
もう少し早く買い替えを進めるべきだった
「築10年のマンションを購入しました。<中古マンション購入/50代男性>
会社の仕事に追われ、家の買い替えについて考える時間や余裕がありませんでした。
あっという間にこの年齢になった今、マンションの老朽化で悩んでいます。
建築法令も変わり、建て替えができないことを知りました。
もう少し早く買い替えを進めるべきでした。」
<中古マンション購入/50代男性>
老朽化についてもっと調べておけばよかった<中古マンション購入/40代男性>
「現在居住しているマンションは耐震基準を満たしており、立地が良かったため購入しました。
ところが築年数が30年を超え、いつまで住めるか不安です。
購入する時は、コンクリートの耐用年数や管理費を未納する区分所有者の問題、スラム化の危険性にまで思い至りませんでした。
マンションの老朽化についてもっと調べておけば良かったと後悔しています。」
<中古マンション購入/40代男性>
マンションを購入して悩んでいる人はあなただけじゃない

マンションを購入した人が後悔した体験談は、具体的でとても参考になりますね。
購入してから気づくことや、改めて冷静に考えられることも多いのです。
先述の体験談の方々も、決して購入時に無計画や安易に考えていたわけではありません。
時間と手間のかかる物件探しや、マンションの契約、住宅ローンの申し込みなど、次々とクリアしなければならない手続きに疲れてしまい、ふと新しい暮らしが始まったときに想定外のことに直面するのです。
マンションの建物や設備というハード面だけでなく、維持管理体勢や隣人たちとの関係性といったソフト面まで踏まえると、全く問題のない物件というのはほとんど存在しません。
住み替えや買い替えの検討もしてみよう!

実際に住んでみるとイメージと違った、当時と状況が変わったなど、不満にどうしても耐えられない場合もありますよね。
もし悩んでいるなら、思い切って「住み替え」を検討してみてはいかがでしょうか。
関連記事:住み替えでローンや税金はどうなる?損しないための手順とよくある質問
その場合、現在のマンションの売却額を元手に、自己資金や新たな住宅ローンを必要に応じて予算に組み込み、別のマンションや戸建て住宅の暮らしを再検討することになります。
「いくらで自分のマンションが売れるのか?」を知るのには、無料で複数の不動産会社に査定依頼ができる、一括査定サイトが便利です。
他の不動産を購入する目線でも、各不動産会社のアドバイスを聞きながら、新生活を計画してみるのもよいでしょう。
【Q&A】皆様のお悩みに専門家が回答!

ここからは、皆様からのお悩みやご質問に、専門家がお答えしていきます。
今回お答えしてくれたのは、一級建築士や宅地建物取引士の資格を持つ大野さんです。
築48年のマンションです。大規模修繕でなんとか維持していますが老朽化が気になります。 建て替えをして欲しい気持ちがありますが、築年数はどのくらいで建て替えが視野に入ってくるものなのでしょうか?
マンションの多くは鉄筋コンクリート造(RC造)です。
施工時のコンクリート強度や鉄筋の配置などが適切なら、60〜100年の耐久性があるといわれています。
もちろんこの耐久性を維持するためには、適切な維持管理計画と修繕工事が必要です。
地震被害の有無なども影響するため、実際は建物状況を調査できる業者と相談しながら決めていくべきです。
建て替えの決定には、区分所有者数および議決権が5分の4以上(80%以上)の賛成が必要です。住民の方々と合意形成をしていくことが重要です。
マンション自体が古く、自室の修繕箇所が増えそうです。
今後どのように計画していけばよいのでしょうか?
マンション室内は、水回りの住宅設備や共用管に至るまでの専用給排水管などの劣化を想定し、数年ごとの点検をおすすめします。
劣化が激しい、あるいは損傷リスクが高い場合、設備や配管の入れ替え工事を検討します。(10〜20年単位)
給湯器は5〜7年経過すると故障しやすくなるため、状況によって交換を検討しましょう。
ただし、外壁部への取り付けのため、一般的に管理組合等への届出・許可などが必要です。確認しておきましょう。
築35年過ぎても、価格を落とさず売却できるなら売りたいです。
あと何年耐えられるのでしょうか?
前述の通り、本来、維持管理状態の良いRC造のマンションは60〜100年の長期的な耐久性があるといわれています。
良い条件で売却したいなら、維持管理計画に関する資料は保管しておき、室内の不具合箇所は早めに補修しておくようにしましょう。
景観は契約の時に盛り込まれていませんが、何か対策ができるのでしょうか?
マンション共用部の利用方法は、管理規約に定められています。そのため、規約に従う必要があります。
また、規約を追加したい場合、管理組合等に決議してもらう必要があります。
敷地外の景観は、マンションの管理規約で縛ることはできません。
景観や都市計画に関する法令は、基本的に地方公共団体が策定している場合があります。行政窓口に相談してみるとよいでしょう。
築古のマンションについては、「築40年マンションはなぜ売れる?売れる物件の条件や売却の注意点」でも解説をしています。参考にしてください。
まとめ
せっかくマンションを購入したのに、さまざまなトラブルで後悔する人も少なくありません。
失敗しない物件選びのためには、近隣情報や設備などの事前の細かなチェックが必要です。
それでも、住んでから初めて問題に気づくこともあります。
そんなときは、住み替えや買い替えなどの手段があることを覚えておくべきです。
まずは一括査定サイトなどを上手く利用して、信頼のおける不動産会社に相談することから始めましょう。
監修者
大野 光政(おおの みつまさ)
一級建築士、宅地建物取引士、既存住宅現況検査技術者
大金興業株式会社代表取締役。 建築士事務所、不動産業、建設業などの業務をマルチにこなす一方で、建築や設備に関連する資格を多数所持していることを活かし、2006年から生活情報サイト「All About」の公式ガイドとして建築・リフォームなどの記事を執筆。 一般消費者に建築や不動産に関わる話をわかりやすく親しみやすく伝えることをモットーとしている。 ■Webサイト 大金興業株式会社 https://www.daikin-i.com/
マンションの値段が高いからといって良い物件とも限らず、古くて安いからといって悪い物件と決めつけるのも早合点。
マンションが自分のライフスタイルにフィットするかが重要ということを覚えておきましょう。