マンション売却の基礎知識

2020-11-30

専門家監修|投資用マンション売却のタイミングを市場動向とともに解説

投資用マンションから得られる収益は、キャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(家賃収入)からなっています。

それぞれを最大化し、もっともよいタイミングで売るためには「市場の動向」と「長期的な家賃収入の推移」を把握することが欠かせません

「自分の買値」をどう考慮するかも重要ですし、かかる費用や節税のための知識も必要です。マンションはモノですから、修繕や管理についての理解も必須です。

「これだけは必要!」な情報と考え方、売却の方法や流れをまとめました。

目次

    マンション市場の相場動向

    2020年春~夏にかけての投資用マンション売買動向を、以下の点に注目して振り返ります。

    1. 東京23区における中古マンションの成約価格・賃料の推移と考え方
    2. 投資用マンションの取引価格・利回りの推移
    3. 中古マンションの相場動向

    23区における中古マンションの平均価格と賃料・利回りの推移

    収益物件の年間収入を購入金額で割ると「表面利回り」が計算できます。税金や空室期間、修繕費などのコストを考慮しない「表面上の」利回りです。

    今回は、23区における沢山の成約データを利用することで、「市場が期待する」表面上の利回りを見てみようというものです。

    【図1】

    マンション平均単価

    ※画像出典:公益財団法人東日本不動産流通機構市況データより監修者作成

    図1は東京23区内の中古マンション平均売買単価と賃料単価の推移を示しています。

    オレンジ線(賃料単価)を青線(平均成約価格)で割ると、23区中古マンションの平均表面利回りの推移がわかります。

    【図2】

    長期プライムレート

    ※画像出典:公益財団法人東日本不動産流通機構市況データより監修者作成

    図2の青線が実際の表面利回りです。2008年からの12年間、右肩下がりで推移してきたことがわかります。

    図2をよく見てみると、

    表面利回り(青)=長期プライムレート(オレンジ)+リスクプレミアム(緑)

    という関係がおおよそ成立していることが見て取れます。

    安全運用で得られる金利(長期プライムレート)に、空室や経年劣化などのリスクを引き受けることで得られる報酬(リスクプレミアム)を足し合わせたものが、収益物件から得られる利回りです。

    金利動向は貸出金利にも反映されます。

    金利低下によりお金が借りやすくなったことに加え、投資家がこぞってリスクを取りたがり、リスクプレミアムが削られ、市場が期待する表面利回りは低下傾向を辿っていきました。

    【図3】

    中古マンションのリスクプレミアムを日経平均株価と重ねたもの

    ※画像出典:公益財団法人東日本不動産流通機構市況データより監修者作成

    図3は中古マンションのリスクプレミアムを日経平均株価と重ねたものです。

    株価が上がれば株式のリスクプレミアムは下がります。

    2つの線がほぼ逆方向に動いているのに注目しましょう。株価が良いときは経済状況が良好であることを意味します。

    経済状況が良ければ、中古マンションに対してリスクを取ろうとする人が増える、すなわち投資用不動産に上乗せしたいと考えるリスクプレミアムが小さくなるということです。

    2013年以来「異次元緩和」と呼ばれる大規模金融緩和が継続し、さらに新型コロナウイルスのパンデミックを機に世界的に金融・財政とも大盤振舞いとなっていることはご存じのとおりです。

    日々活況が報道されている株式市場だけでなく、実は不動産市場も、実体経済から離れた水準の価格が形成されている可能性があります。

    結論は以下のとおりです。

    1. 金利は政策金利・長期金利ともこれ以上は下がらないと考えられるため、リスクプレミアムもこれ以上は下がらないだろう
    2. 下がらない金利・リスクプレミアムは横ばいとなり、市場が期待する利回りはいずれは上昇ルートをたどる。不動産価格も高止まりから、いずれは調整もあり得る
    3. 賃料も上がってきてはいるが、実体経済が良いわけではないのでさらなる上昇を見込むのは厳しい

    保有している物件の売却を考えるには、悪くないタイミングといえます。

    収益物件(全国)の平均売り出し価格・利回りの推移

    不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」に登録された収益物件の全国平均売り出し価格は以下のように推移しています。

    【図4】

    収益物件の全国売り出し価格の推移

    全国平均での収益物件利回りは以下のように推移しています。

    【図5】

    全国平均での収益物件利回り

    ※出典:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )

    東京23区では取引価格・賃料とも上昇してきましたが、全国平均(登録ベース)では事情が異なります。

    売り出し価格は昨年4~6月を頂点にゆるやかな下落傾向にあります。反面、利回りは昨年7~9月から上昇傾向にあり、リスクプレミアムが拡大してきていることがわかります。

    この背景には2018年以降、銀行の不動産投資への融資姿勢に変化が生じたことがあるといわれます。

    融資の担保となる不動産の価格評価において、想定される収益から割り戻して求める「収益還元法」ベースでなく、土地と建物の時価を積算した「積算評価」が重視されるようになりました。

    融資が渋くなった結果、一般のサラリーマン投資家が減少し、投資用マンションや一棟所有でない区分所有物件の価格下落につながったという見方もあります。

    東京23区内では地方・郊外と異なり価格の下落は見られないものの、20㎡以下の小さなワンルームなどは空室リスクやコストが大きいため売りづらくなってきているようです。

    中古マンションの相場動向

    公益財団法人東日本不動産流通機構の調べによると、2020年7~9月における首都圏の中古マンション売買は、成約件数、成約㎡単価ともに前年同期を上回っています。

    ▼2020年7~9月における首都圏の中古マンション売買動向

    【成約件数】
    1~3月
    4~6月
    7~9月
    (件数)
    10,071
    6,428
    9,537
    (前年同期比)
    -1.9%
    -33.6%
    +1.4%
    【成約㎡単価】
    1~3月
    4~6月
    7~9月
    (万円/㎡)
    54.91
    52.47
    55.63
    (前年同期比)
    +0.8%
    -4.5%
    +6.0%

    出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構 REINS TOWER「季報 Market Watch サマリーレポート 2020 年 7~9 月期」

    4~5月に発令となった緊急事態宣言の影響で、成約件数・成約㎡単価ともに大きな影響が出たように見えます。

    しかし、ここに現れている数値は平均値であることから、実態が表れていない可能性があります。

    緊急事態宣言下では、古い・小さいといった低価格の物件については堅調に取引されていましたが、価格が高い物件の売買は様子見となっていました。高価値物件を経済ショックの時期に焦って売る必要はないという判断でしょう。

    また、このデータには収益物件だけでなく居住用マンションも含まれています。

    緊急事態宣言下でマンション売却・新居購入・引っ越しなどの大きな変化を見合わせたファミリー層が一定数いた可能性もあります。

    緊急事態が終了し、新型コロナウイルスの情報も増え私たちの心理にもある程度の慣れが生じてきた7月以降は、成約件数・成約㎡単価ともに戻しています。

    今後数カ月程度の相場動向を見通すうえで、参考になるデータといえるでしょう。

    キャピタルゲインを狙う人が逃してはいけない理想の売り時

    キャピタルゲイン(売却益)を狙う人にとっての「売り時」についてお伝えします。

    基本的な判断基準は以下の2点に集約されます。

    1. 過去・未来を見通して、今が最も高く売れる時期と思えるなら売り時
    2. 今後も長期的に修繕費用等を控除した収益が成長すると考えられるなら売り時でない

    1と2はどちらも「物件本位」の判断基準ですが、実際のところは「自分の買値」に照らして利益が出る水準で売れるかどうかが気になる方も多いでしょう。

    1. 購入金額を上回る売却金額が見込めるなら売り時
    2. 購入金額を上回る累計家賃収入と売却金額の合計が見込めるなら売り時
    3. マンション市場の相場が堅調なら売り時

    このような「手元に残る利益」を考慮した売り時も含め、このあとで詳しく解説していきます。

    1.過去・未来を見通して、今が最も高く売れる時期と思えるなら売り時

    保有物件の過去の売買価格は調べることができます。不動産業者に依頼し、過去の売買事例を把握しておきましょう。

    相場の全体感をつかむには、2008年以降の不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」(国土交通省)が役に立ちます。

    不動産価格の推移には5年~10年程度のサイクルがあります。5年で価格が上がり、さらに5年かけて下がるといったものです。

    該当地域の不動産価格指数を景気動向とも照らし合わせながら、現在が価格サイクルのどの位置にあるか、あたりをつけていきましょう。

    価格の頂点付近に来ていると判断できれば、売り時の可能性があります

    2.今後も長期的に家賃収入が得られるなら、売り時でない

    本来、不動産投資の判断は「この先儲かるかどうか」が基準となります。

    投資理論上、過去にかかった費用は「サンクコスト」といい、いさぎよくあきらめて売買の判断材料に加えないのが正しいです。

    「仮にいま、この物件の情報が流れてきたら買うか?」という観点で考えて、買い判断をするなら保有継続、買わない判断となるなら売却するのが正解です。

    この意味で、「この先長期的に家賃収入が得られる」物件は良い投資対象といえます。

    逆に「この先家賃収入が細る可能性が高そうだ」と考えるなら、売り時ということになります。

    満足のいく家賃収入が継続する可能性が高い物件であったり、そうでなくとも「近隣に新しい駅ができる」「管理会社を変えてコストを下げる」など、先々の収益性が高まる見込みがある物件はまだ売り時とは言えない可能性が高いです。

    3.購入金額を上回る売却金額が見込めるとき

    大きなキャピタルゲインを狙うには、長期的な視点で「安い時に買い、高い時に売る」ことが重要です。

    利回りが高く、空室率が低い優良物件を安い時に購入できていれば、先々の大きなキャピタルゲイン獲得につながります。

    売却金額が購入金額と諸経費の合計を上回り、キャピタルゲインが発生する状態は不動産投資としては理想的です。この意味で、購入金額を上回る売却金額が見込めるときは売り時ということができます。

    平成21年・22年(2009年・2010年)に取得したマンションの敷地権については、一定の条件を満たせば譲渡所得の金額から1,000万円を控除することができ、所得税が安くなる特例があります。

    この制度は「租税特別措置法」に基づくものであり、常に「今年まで」となる可能性があることに注意しましょう。

    このほか、物件を取得して5年以内の売却ではキャピタルゲインにかかる所得税の税率が高くなります。5年以内の短期では39.63%、長期では20.315%と大きな差があるためこの点にも注意を要します。

    価格サイクルやこの先のインカムゲイン予測なども勘案しつつ、キャピタルゲインを最大化する売り時を探りましょう。

    4.購入金額を上回る累計家賃収入と売却金額の合計が見込めるとき

    売却金額が購入金額と諸経費の合計を上回りキャピタルゲインが発生する状態は、不動産投資としては理想的です。

    ただし、例えば「近隣の大学が移転する話が出ている」など先々のインカムゲインが細る要因があったり、価格サイクルの天井付近にあるといった場合には事情が変わってきます。

    売却金額と累計家賃収入の合計から、購入金額と諸経費の合計を差し引いてプラスが見込めるなら、売り時と考えてもよいでしょう。

    5.マンション市場の相場が堅調なとき

    「中古マンションの相場動向」の項でお伝えしたとおり、首都圏のマンション市場は前年を上回る堅調です。

    マンション市場の堅調は、マンションに対する賃貸需要が高いことを表しているといえます。借りたい人が多いので家賃は安定的に推移し、空室リスクも低くなると考えられているわけです。

    賃貸需要が高い時期は、投資家の期待も高く高値売却が見込める可能性があります

    まず売却額を試算するために、SUUMOの一括査定を利用してみてはいかがでしょうか?

    インカムゲインが目的の人でも売却した方がいいタイミング

    インカムゲインが目的の人でも売却した方がいいタイミングについてお伝えします。

    1. 残債の返済目途が立たない
    2. 築20年を迎える前
    3. 減価償却費が年間の残債元金返済額を上回る「デッドクロス」
    4. 空室率が上がる兆しがある

    このあとから詳しく解説していきます。

    1.残債の返済目途が立たない

    投資用マンションをローンで購入した場合、家賃収入が月々のローン返済と諸経費を賄えるかどうかが非常に重要です。

    家賃収入のみで賄いきれない場合は、差額を自己資金で埋めることになります。長期的に見て、苦しくなっていく可能性があるかもしれません。

    今後家賃が下がったり空室リスクが大きくなったりすることが考えられる場合や、投資以外の収入からの補填が難しくなるなど、残債を完済するまでのダメージが大きくなってしまう場合は売却するべきといえるでしょう。

    2.築20年を迎える前

    「築20年」は中古マンションにとって評価の分かれ目と言われています。

    築20年以内の物件を取得する際には、新築物件同様に35年ローンを組むことが可能です。

    返済期間を長くとることができれば、月々の返済額を少なく抑えられるので、低利回りでも家賃収入でローン返済を賄えます。マンションを売却できる可能性が格段に高まるのです。

    一方、築20年以上の物件の場合は、ローンを組める期間が短くなるため、月々の返済額も比較的多くなります。高利回りでないとローン返済額と家賃収入が見合わないので、売れない可能性が出てきます。

    築15年〜20年が経過すると、マンションにはさまざまな劣化が現れます。

    当初の修繕計画に見直しが入り、修繕積立金が上がる場合もあります。重要な点なので、詳しくは後述します。

    「築20年」のタイミングで、入居者が途切れず高利回りが続く確信がある場合以外は、一度売却を検討してもよいでしょう。

    3.減価償却費が年間の残債元金返済額を上回る「デッドクロス」

    投資用マンションをローンで購入した場合、建物の取得価格を毎年分割で経費計上することができます。

    これは経費として計上してはいますが、実際の支出を伴いません。いわゆる「減価償却」です。

    建物については、例えば鉄筋コンクリート造(SRC造)であれば47年にわたって分割して償却します。設備は15年かけて償却します。

    建物と設備の償却期間に違いがあるため、15年目以降の減価償却額は大きく減少します。家賃収入から控除できる経費がガクンと減るわけです。

    ローンの返済が進んでいくことで、計上できる経費はさらに減ります。

    多く行われている「元利均等返済」のローンでは、返済が進むにつれて毎月の返済額に占める金利の割合が小さくなり、元金の割合が増えていきます。経費計上できる金利が徐々に減っていくのです。

    2つの経費減少が重なって、経費が家賃収入を下回り黒字になると、所得税が家賃収入を侵食し始めます。このポイントが「デッドクロス」です。

    最悪の場合、キャッシュフローがマイナスに転じてしまい、投資用マンションを持っていることがリスクにしかなりません。早急な売却が必要です。

    4.空室率が上がる兆しがある

    賃貸住宅の統計を見たり、あるいは近隣収益物件の動向を不動産業者から聞いたりした際に、空室率が上がる気配を感じることがあります。

    区分所有の物件で、同じマンション内の空室が以前より増えた場合なども同様です。

    空室率の上昇は、物件の魅力が低下し入居者離れが起きていることを示しています。

    物件の性能や管理の改善といったテコ入れがむずかしい場合は、家賃収入を失う前に売却するべきといえるでしょう。

    インカムゲインを狙う人でも売却を考えてもいいタイミング

    インカムゲインを狙う人でも、売却を考えてもよいタイミングは以下のとおりです。

    1. 購入後5年が経過
    2. 大規模修繕工事の前

    このあとから詳しく解説していきます。

    1.購入後5年が経過

    「年金の足しに」といった意識で、マンションは長期保有するものだという考え方は実状に合いません。

    時が経つとともに人の暮らしは変化し、求められるマンションの形態や機能も変わります。

    例えば、平成バブル期にはユニットバス付きの小さなワンルームがよく売れましたが、今や陳腐化し人気がありません。

    現在所有しているマンションが時代にマッチし求められるものかどうか、「5年」ごとに点検し、手を加えるか・売りに出すかを検討するとよいでしょう

    「5年」は時代の変化を考えるに程よい期間であるとともに、譲渡所得の税率が変わる期間でもあります。

    物件を取得して5年以内の売却ではキャピタルゲインにかかる所得税の税率が高くなります。5年以内の短期では39.63%、5年以上の長期では20.315%と大きな差があるのです。

    検討の結果、長期にわたって安定した家賃収入が見込めなかったり、管理していく自信がなくなったりした場合は、5年を過ぎたタイミングで売却してしまうのも1つの手といえます。

    2.大規模修繕工事の前

    マンションは通常、10年~20年の間に大規模修繕を行います。

    修繕積立金は毎月納付しますが、築10年・15年などのタイミングで値上がりしたり、一時金が課されたりすることが多いのです。

    この負担額が、一戸当たり数十万~数百万円という多額に上ることもあるので、手元の資金次第では売却を考えてもよいでしょう。

    最悪のケースでは、修繕積立金が不足し大規模修繕工事を行うことができないこともあります。

    マンションの資産価値が下落し、家賃の低下や空室リスクの上昇が懸念される場合は、売却を考える必要があります。

    国土交通省の「修繕積立金ガイドライン」に目を通したり、総会の案内をよく確認したりして、所有物件の修繕計画を予想しておくことが重要です。

    投資マンションの売却方法

    投資マンションの売却について知っておくべきことは以下のとおりです。

    1. 3種類の売却方法
    2. 不動産仲介の流れ

    このあとから詳しく解説していきます。

    3種類の売却方法

    マンションの売却方法には以下の3通りがあります。

    • 売買仲介業者に仲介を依頼する
    • 買取業者に買取を依頼する
    • 個人間で取引をする

    売買仲介業者(不動産業者)に依頼する場合は、契約の形態に以下の3通りがあります。

    一般媒介契約 複数の不動産会社に同時に販売活動を任せられる
    専任媒介契約 一社のみに販売活動を任せる
    専任専属媒介契約 一社のみに販売活動を任せ、売主自身が発見した買主とは直接契約できない

    優良物件なら一般媒介、積極的に仲介してほしい場合は専任または専属専任がよいでしょう。

    詳しくはこちらの「マンション売却の流れとかかる期間・費用|失敗しないための注意点」を参照してください。

    買取の場合は、迅速・確実に売却できますが、売却価格が市場の7割程度となってしまうことが多いようです。

    買取についての詳細は、「マンション買取と仲介の違いを比較!損しないための業者選びのコツ」の記事をご確認ください。

    近年では不動産業者に仲介を依頼せず、個人間取引専用サイトを利用して売却する方法もあります。相手の詳細や事情がわからず、リスクが高いためおすすめできません。

    不動産仲介の流れ

    マンション売却の流れは、簡単にまとめると以下のとおりです。

    相場を調べる
    所有している不動産の販売価格の相場を調べる
    仲介する不動産会社を選ぶ
    自分の希望や条件に合った不動産会社を見つける
    媒介契約を結ぶ
    売買の仲介を依頼するための媒介契約を締結する
    販売活動を開始する
    不動産会社に物件情報を公開してもらい、買い手をつのる
    購入希望者と細かい条件交渉
    購入希望者が現れたら、金額などの条件交渉を行う
    売買契約を結ぶ
    価格や条件の折り合いがついたら、売買契約を結ぶ
    不動産を引き渡す
    売買契約で定めた期日までに契約金額を受け取り、物件を引き渡す

    各ステップの詳細な内容は「マンション売却で失敗したくない!流れや費用の注意点をプロから伝授」に記載しておりますので、ご確認ください。

    売却時にかかる費用と税金

    ここでは売却時にかかる費用と税金について簡単に解説します。

    売却にかかる費用には「仲介手数料」「印紙代」「登記費用」があり、合わせると数十万円単位の出費になります。

    売却にかかる税金には「譲渡所得税」「住民税」「復興特別税」がかかり、保有期間による違いや控除の特例などを知っておく必要があります。

    売却にかかる費用一覧

    売却にかかる費用は以下のとおりです。

    仲介手数料 マンションを売却したときに不動産仲介会社に支払う手数料。
    宅地建物取引業法で上限が定められており、一例として、物件価格が1,500万円の場合は仲介手数料の上限は51万円となる。
    印紙代 印紙は1万円以上の契約をする際に必要で、契約書などに貼付する。契約金額により金額は異なる。
    登記費用 不動産売却時に行う抵当権の抹消には、司法書士への依頼費用と抵当権抹消の登録免許税がかかる。

    マンション売却で失敗したくない!流れや費用の注意点をプロから伝授」にて、各種費用を詳しく解説しておりますので、こちらもご確認ください。

    売却にかかる税金一覧

    売却にかかる税金は以下のとおりです。

    譲渡所得税 売却益にかかる。税率はマンションの所有期間によって異なり、長期保有(5年以上)の場合は15%、短期保有(5年未満)の場合は30%。
    住民税 売却益にかかる。税率は所有期間により違い、長期所有で9%、短期所有で5%。
    復興特別税 所得税の金額に対して税率2.1%がかかる。

    マンション売却にかかる税金はいくら?パターン別シミュレーション」にて、物件別に計算事例を解説しておりますので、詳細はこちらをご確認ください。

    譲渡所得税については、一定の条件を満たすと、投資マンションの売却益の一部を将来に繰り延べることができます。

    「事業用資産の買い替え特例」といい、貸付用の不動産などの売却と購入(買い替え)を行った際にかかる所得税の負担を軽減できます

    適用される主な要件は以下のとおりです。

    • 譲渡資産と買い換え資産がいずれも事業用である
    • 譲渡資産と買い換え資産が組み合わせ要件に当てはまる
    • 買い換え資産が土地の場合、売る資産の土地面積の5倍以内である
    • 買い換え資産を譲渡資産の売却前年~翌年に購入する
    • 買い換え資産を購入から1年以内に事業に供する

    詳しくは国税庁の「タックスアンサー No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例」に記載がありますので、参考にしてください。

    監修者

    田中 歩(たなか あゆみ)

    1級FP技能士、日本ホームインスペクターズ協会公認ホームインスペクター・理事

    慶応義塾大学経済学部卒。三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)に17年間勤務後、あゆみリアルティ―サービスを起業。
    事業用不動産、中古住宅、投資用不動産の売買仲介・活用・運営・相続コンサルティング、ファイナンスアドバイス等を中心にビジネス展開。日経電子版などにて、不動産関連コラムを連載中。
    ■Webサイト
    あゆみリアルティ―サービス
    https://www.ayumi-ltd.com/

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