競売とはどんなもの? 競売の流れと任意売却のメリット3つ
「競売にかけられるとどうなるの...?」
住宅ローンの滞納を続けていると最終的に競売にかけられてしまいます。
いついかなる理由で住宅ローンの支払いが苦しくなるかはわかりません。そのために競売までの流れと対処法を知りましょう。
ローンの返済ができなくなった場合、任意売却という方法もあります。この記事では競売に至る流れと問題点、そして任意売却のメリットを解説します。
目次
競売とは?
住宅ローンの滞納を続けていると最終的に裁判所が競売の申し立てをし、あなたの家が強制的に売却されてしまいます。競売によるダメージは小さくはありません。まずは、競売とはどういう仕組みで行われるのかを見ていきましょう。
競売とはどんなものなのか
そもそも競売とは住宅ローンなどを滞納し続けた場合、最終的にとられる手続きです。競売にかけられると他者の希望した売却価格で物件が購入されてしまうため、通常市場価格の7割程度で落札されてしまいます。
また、住宅ローンの借り入れ時に銀行などが不動産に抵当権を設定します。抵当権とは借り入れする代わりに土地などの不動産を担保に差し出すということです。この理由から住宅ローンが払えなくなったとき、銀行側は抵当権を行使して不動産物件を差し押さえ売却するというわけです。
競売を避けた方がいい理由として、市場価格より大幅に低い価格で売却されてしまうことがまず挙げられます。住宅ローンを滞納してしまっても、途中で債務整理や任意売却をすれば競売は防げます。
しかし、住宅ローンの滞納期間によって競売への進み具合は変わってきます。そこでまずは競売にかけられるまでの流れを把握しましょう。
競売までの流れ
実は住宅ローンの滞納から競売にかけられるまでにはさまざまな通知書が届きます。
借り入れした銀行なども競売の手続きはなるべく取りたくないので、最初は「滞納分を返済してください」という通知を出します。
1. 滞納1~2ヶ月【銀行からの支払い請求】
最初の1~2ヶ月は銀行から住宅ローンを滞納しているので払ってくださいという内容の通知が届きます。この段階ではまだ残債を払えばいいだけなので、そこまで焦る必要はありません。
2. 滞納2~3ヶ月【督促状・催告書】
2~3ヶ月目になると督促状や催告書が届きます。督促状はローンなどの支払いを期日までに行ってくださいと促す最初に届く文書です。
催告書は督促状が届いても支払いを行っていない場合に届く支払いを催促する文書で、文面もだんだん厳しいものへと変わってきます。
また、督促状が普通郵便で届くのに対し、催告書は内容証明郵便で届くことが多くなっています。
3. 滞納3~6ヶ月【期限の利益喪失の通知・代位弁済通知】
期限の利益喪失の通知は住宅ローンの残債を一括で払ってくださいということを知らせる通知です。
期限の利益喪失の通知が届くと、原則分割での支払いはできなくなります。しかし、現実的にローンの残債を一括で払うことは難しいでしょう。
そこで、「代位弁済」が行われます。期限の利益の喪失をすると債務者(あなた)の代わりに保証会社が住宅ローンを肩代わりします。これが代位弁済です。また、ローンを肩代わりにすることにより、債権者は銀行から保証会社へと変わります。
もちろん、保証会社が残債を代わりに払ったから終わりなんてことはありません。債権者が保証会社へ変わったことにより、保証会社が債務者(あなた)へローン残債の一括返済を要求します。
そこで「代位弁済通知」が届きます。
代位弁済通知とはわかりやすく言うと「あなたの代わりに銀行へ残債を払ったから保証会社に残債を返してください」という旨の通知です。
この場合、弁護士に相談すれば個人再生で住宅を残せる可能性がありますが、代位弁済の日から6か月以内に裁判所に対して個人再生の申し立てをする必要があります。
4. 滞納6~10ヶ月【競売開始決定通知・執行官の訪問】
競売開始決定通知は保証会社が裁判所へ申し立てをし「これから競売が始まります」ということを知らせる通知です。
通知が届いてから約1~2ヶ月後には裁判所の執行官と不動産鑑定士が家を訪ねてきて、物件の調査をします
。この執行官と不動産鑑定士の訪問が近所に競売になることが知れ渡ってしまう理由の一つでもあります。
この時期はまだ競売は始まっていないので、任意売却をするならできるだけ早く検討するとよいでしょう。
5. 滞納12~16ヶ月【期間入札通知書】
期間入札通知書は競売になる物件の入札の開始から終了までの期間と入札の開札日が明記された通知書です。
その名のとおり期間入札通知書が届いたら競売開始目前と思ってください。
競売が始まっても落札者が決定するまでは理論上任意売却が可能です。しかし、時間はないのでできるだけ早く任意売却の手続きを開始しましょう。
6. 開札
開札がされると物件は一番高額で入札した落札者のものとなります。その後に所有者の変更手続きや登記情報の手続きなどをします。
原則では開札の1日前までなら競売の取り下げが可能です。開札間際に慌てて任意売却にすることがないよう早めに手を打ちましょう。
最終的に落札者が決まってしまうと落札者が立ち退き要請をすれば強制退去が法律で義務付けられています。
競売のデメリット3つ
やはり競売にはデメリットが多いといえるでしょう。大きなデメリットになるものを見ていきましょう。
1. 市場の7割くらいの価格で売却されてしまう
やはり大きなデメリットになってくるのが、市場より大幅に低い金額で売却されてしまうことです。
任意売却では市場価格とほぼ同等の価格で売却することができます。
2. 近所に競売がバレる可能性がある
競売や住宅ローンの話はデリケートな問題なので、あまり他人には知られたくないと思います。
前項で説明しましたが、競売では裁判所の執行官と不動産鑑定士があなたの物件を査定しに来るので近所に競売にかけられたことが知られる可能性が高いです。
3. 手元に残る資産がほぼない
競売で手元に残る資産は基本的にないとされています。
一方、任意売却の場合には引越し費用などを捻出できる可能性があるので、資産が残るのと残らないのでは大きな差になります。
任意売却を検討しよう
前項のとおりやはり競売はデメリットが大きいです。競売の特徴も理解したうえで任意売却を検討することをおすすめします。
それでは任意売却とはどのような方法なのか見ていきましょう。
任意売却とは
任意売却とは住宅ローンを滞納していても自分の物件を売却できる手続きです。特徴として
という点です。注意しなければいけない点は1つ目です。任意売却はいつでもできるわけでなく、住宅ローンを約3ヶ月滞納して初めて取れる方法です。
1回や2回の滞納だと銀行側が任意売却を認めないケースがあります。目安は滞納3ヶ月と考えていいでしょう。
2つ目はすでに説明しましたが、任意売却なら市場に近い価格での売却に望めます。
また、3つ目は、もし任意売却しても残債を返済できなかった場合は話し合いで無理のない返済計画を組むことができます。もちろん一括払いではなく分割払いが可能です。
任意売却の大きな特徴は以上です。次は任意売却のメリットを見てみましょう。
任意売却のメリット3つ
任意売却にはさまざまなメリットがあります。まとめると
それでは一つずつ見ていきましょう。
1. 引っ越し費用などを捻出できるケースがある
競売では手元に残る費用はほぼないと説明しました。しかし、任意売却なら引っ越し費用を捻出できる可能性があります。
このような手続きをするには任意売却に強い不動産業者に頼むことが重要です。
2. 近所などに売却したことがバレにくい
競売では裁判所の執行官や不動産鑑定士の他、不動産会社などが近隣へ聞き込みを行うため競売がバレてしまうことがあります。
任意売却でこのような心配をする必要はほとんどありません。そもそも任意売却では裁判所は関与しないのでこのような心配がないのです。
3. 売却した物件に住み続けることができるケースもある
これは勘違いされている点でもあるのですが、実は任意売却をした場合は必ずしも売却した家を出て行かなければならないというわけではないのです。
特別な任意売却の契約をすることによって売却した物件にリース料(賃料)を払って住み続けることができます。
この手続きをうまく進めるためにはやはり任意売却に強い不動産専門業者に頼む必要があります。
まとめ
- 住宅ローンを滞納していると最終的に競売にかけられる
- 競売はデメリットが多い
- 任意売却を検討するのも一つの方法
競売の流れと任意売却のメリットは理解できましたか? 任意売却を有利に進めるためには、いかに早く任意売却の手続きを行うかが鍵です。
一括査定を利用すれば事前に自分の物件の相場を知ることができます。
相場を知っておけば後の手続きもスムーズに行うことができるので早めに任意売却を検討したい人におすすめです。