マンション売却で損しない方法は低価格設定!高く売れる5つの方法
目次
マンションを早く売る方法は「低めの査定額設定」
マンションを「早く」、しかも「高く」売ることを両立するのは正直、非常に難しいと言えます。早く売ろうと思えば、価格を下げなければならず、どうしても価格を下げたくない(高いまま売りたい)となると、販売活動は長引くことになります。
それを両立するには、「査定額より少し損をしているかも知れない」という価格に設定することがポイントです。次のケースをもとに考えてみましょう。
査定価格が5,180万円のマンションのケース
例えば、査定によって「5,180万円」の価格がついたマンションの場合、「4,980万円」という価格設定にして大台を切る金額にするのがポイント。
もし、最初に強気で「5,480万円」で売りに出した場合、買い手がつかなかったら「5,180万円」、それでも買い手がつかなければ「4,880円」、さらには「4,680万円」と段階的に価格を下げる結果になる可能性が高いと言えます。
それなら最初に「4,980万円」という、少し損をしているかも知れない金額を設定して情報の鮮度があるうちに売ってしまうのが、結果的に最も早く、高く売れることが多いです。
不動産の場合、「200万円から300万円の間」で価格を変更するのが慣習です。時間が長期化すればするほど、買い手を逃してしまうので、査定額より少し損をしてるかもしれないと思う価格で売りに出すのがいいでしょう。
マンションを高く売るための「5つ」の方法
ここでは、マンションを高く売るための原則を5つ挙げておきます。
- 内覧がいつでもできる態勢を整えておく
- 内覧はできるだけ陽当たりのよい時間帯に
- 内覧の時間帯を重ねる
- 強気になりすぎない
- そこでの生活をイメージできる雰囲気づくりを
方法1:内覧がいつでもできる態勢を整えておく
購入希望者が現れたらすぐに内覧ができる態勢を準備してから、販売活動を開始しましょう。そのような態勢になっていないと、内覧ができる準備が整うまでの間待たせてしまい、内覧希望者の購買意欲が冷めてしまいます。
特に内覧の希望は週末に入りやすいので、販売活動を始めるにあたってスケジュールを空けておくようにしましょう。
方法2:内覧はできるだけ陽当たりのよい時間帯に
陽当たりがよい時間帯は室内が明るく、いい印象を与えやすいと言えます。普通は、不動産会社の営業担当者はその点を意識していますが、そうでない場合はこちらから内覧の時間帯を工夫するように提案しましょう。
方法3:内覧の時間帯を重ねる
複数の内覧希望者がいる場合、それぞれの内覧の時間を一部重ねるというテクニックがあります。これは、売主の負担を軽くするというメリットもありますが、ほかにも購入希望者がいると意識させることによって、購買意欲を高めて、交渉をスムーズに進めるという狙いがあります。
方法4:強気になりすぎない
前述のケースのように、強気の価格設定をすると売れにくくなります。不動産の売却は「情報の鮮度が命」なので、長く売りに出ている物件には買い手がつきにくく、値下げを繰り返しても売れないという負のスパイラルに陥る恐れがあります。
実は、査定額どおりに売りに出して、交渉でまとめた金額が結果的に最も高かったということも少なくありません。
方法5:そこでの生活をイメージできる雰囲気づくりを
室内をキレイに整理・整頓しておくのは必須ですが、それに加えて、照明を白熱灯にして温かみのある空間をつくったり、静かなBGMを流したりするなど、そこでの生活をイメージできる雰囲気づくりも高く売るためには重要です。
マンション売却を成功させる契約方法は「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」
不動産会社に仲介での売却を依頼する場合、不動産会社と3種類のうち一つの媒介契約を結ぶことになります。この媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
専属専任媒介契約 | 仲介の依頼先が1社に限定され、購入希望者の自己発見はできない |
専任媒介契約 | 仲介の依頼先は1社に限定されるが、購入希望者の自己発見は可能 |
一般媒介契約 | 何社にでも仲介を依頼できて、自己発見も可能 |
特定の不動産会社に依頼をするのは不安があるという人もいるようですが、専属専任媒介契約や専任媒介契約のほうが、力を入れて販売活動を行う傾向があります。
一般媒介契約で売りに出すと、複数の不動産会社のサイトに物件情報が掲載されます。そのため、売り急いでいる印象を与えてしまい、足元を見られる可能性があります。実際、ほとんどの人が専属専任媒介契約か専任媒介契約を結んでいます。
なお、マンションを売りに出す前には、複数の不動産会社(3社ほど)に査定を依頼することをおすすめします。査定によっておおよその価格が分かり、周辺で競合するマンションと比べてどのようなメリットやデメリットがあるのかも分かります。

さらに、全国的に展開している大手の不動産会社や地域に密着している地元の中小の不動産会社を織り交ぜて査定を依頼すると、あらゆる角度からの評価を知ることができます。
特殊な「3つ」のケースのマンション売却方法
ここでは、特殊な3つのケースのマンション売却について説明します。
ケース1:個人間での売買
不動産会社が間に入らず、個人が自分で買い手を見つけるのは事実上困難です。そのため、このようなケースでの売買は親族間というのがほとんどです。
親族間で売買をする場合、限定価格(不透明な価格設定)になりがちなので、透明性を高めるために不動産鑑定士に依頼をするのがいいでしょう。
この点、親族以外で購入希望者が見つかっても、当事者間で価格の交渉をするのは難しいと言えます。最終的に交渉が成立するのも、不動産会社が間に入ってまとめるからこそという点には注意が必要です。
ケース2:遠隔地のマンション売却
このケースでは、全国的展開をしている不動産会社に依頼をするのが確実です。各エリアに支店(拠点)があるため、鍵の受け渡しや管理、相場観を持った営業などを安心して任せることができます。
ケース3:賃貸に出しているマンションの売却
通常の賃貸契約では、家主の都合で入居者を退去させらない契約内容になっています。そのため、このようなケースでは、入居者がいる状態で収益用不動産(投資用不動産)として売却することになります。この点、定期借家契約であれば、収益用不動産としての売却はもちろん、入居者が退去したタイミングで空室として販売することも可能です。
マンション売却前に準備すべき必要書類
購入希望者はできるだけ早い時期に物件の情報を入手したいと考えています。そのため、マンション売却時に手続きを依頼する場合、不動産会社から書類の準備を指示されるのが通常です。
具体的には、売買契約書、重要事項証明書、登記簿謄本、権利証などがあげられます。これらの書類を提示することで、売却対象マンションの所有者が売主であることが証明できるからです。次に、固定資産税額の確認をするため、固定資産税納税通知書も準備しなければなりません。
また、購入希望者がマンションを購入して所有者になると、維持費を支払ったり、規約を守ったりする必要があります。維持費や規約の内容について、事前に把握しておきたいと考える購入希望者も少なくありません。そのようなことから、売主はそれらに関する書類の準備も求められます。
マンション売却の流れ
マンションなどの不動産売却を何度も経験している人はそう多くはないでしょう。そのため、どのような流れでマンション売却の手続きをしていくのかよくわからない人もいるのではないでしょうか。
売却価格の査定
マンション売却をする場合、まず価格を査定してもらうことから始めます。売却価格の相場を把握しておかなければ、適正なマンション売却ができないからです。どの不動産会社でも無料査定を行っています。複数の不動産会社から査定してもらうとより適正な売却価格を把握できるでしょう。
媒介契約の締結
次に、不動産会社へマンション売却手続きの依頼をして、媒介契約を締結します。この契約により不動産会社は売主側の代わりにマンション売却の手続きを進められるようになるのです。媒介契約締結後は、売却対象マンションの情報をインターネット上やチラシなどへ広告を出して、販売活動を行います。販売説明会などを開いて、積極的に営業活動をしてもらえる不動産会社も少なくありません。
内覧と売買契約の締結
販売活動の開始後、購入希望者があらわれたら、売却対象マンションの内覧を行います。購入希望者が部屋の中を見て納得した場合、購入の申込を行うのです。その後、売主と買主で価格交渉を行い、話がまとまれば、双方で売買契約を締結します。その際、買主は売主に対して手付金を支払うのが通常です。売買価格によってその額は変動しますが、50万円から100万円程度が一般的な相場となっています。
残金決済の手続き
売買契約から通常1カ月ほど後に残金決済の手続きをします。買主が残代金全額を支払うと同時に売主は売却対象マンションの引渡しを行うのです。残金決済は買主がローンを組んだ金融機関で行われるのが一般的です。しかし、ローンを組まないで購入する場合は、不動産会社など他の場所で行われることも少なくありません。残金決済の終了によって、原則マンション売却手続きが完了することになります。
売却方法は「仲介」と「買取」がある!それぞれのメリット・デメリット
不動産会社へマンション売却を依頼する場合、その手続き方法は一つではありません。仲介と買取の二つの方法があるのです。マンション売却を検討するにおいて、仲介と買取の違いについて理解しておく必要があるでしょう。
仲介と買取は物件の購入者が違います。前者の場合は、一般の人や企業が買主になるのに対し、後者は、売却手続きを依頼された不動産会社自身が買主となるのです。
マンション売却方法①「仲介」
仲介の方法でマンション売却する場合、買取よりも高い価格で処分できるメリットがあります。一方、マンション売却の手続きが完了するまで時間がかかるのが難点だと言えるでしょう。不動産会社が買主を探さなければならないので、その分時間がかかってしまうからです。また、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要があるので、マンション売却の手続きに関する諸経費が多くなるのもデメリットになります。
マンション売却方法②「買取」
マンション売却を買取の方法で行う場合、買主がすでに決まっているので、短期間で手続きを完了させられます。少しでも早くマンションを処分したいと考えている人にとってはメリットです。また、売主と不動産会社が直接取引をするので、仲介手数料が発生しません。しかし、仲介よりも低い価格でしか売却できないことがデメリットになるでしょう。不動産会社が物件を買い取る目的は、転売して利益を得ることになります。そのため、買い取り価格は相場の6割前後に抑えられてしまうのです。
マンション売却時に気をつけるべき注意点
マンション売却は不動産会社へ依頼すれば、安心して手続きしてもらえると考えてしまう人も多いでしょう。しかし、不動産会社も完璧ではありません。マンション売却の手続きの中でミスや失敗が生じてしまう場合も出てきます。そのため、不動産会社へすべて任せるのではなく、自分自身でも注意しながらマンション売却の手続きを進めていくことが大切だと言えるでしょう。
マンション売却時、どのような点に気をつければよいのでしょうか。まず、査定価格の額の高さだけを理由に、マンション売却の手続きを依頼する不動産会社を決めないことです。査定価格で売りに出しても、売買が成立しなければ意味がありません。そのため、不動産会社の成約率や営業方法などを考慮して、依頼先を決めていくことが重要になります。
売却対象マンションのリフォームはしないほうがよいのも注意点の一つです。売主としてはできるだけ高い価格でマンションを売却したいと考えるでしょう。そのようなことから、少しでも部屋をきれいにするためにお金をかけてリフォームする人もいます。しかし、買主側には、購入したマンションの部屋を自らの手でリフォームしたいと考えている人も一定数いるのです。その結果、リフォームをしてしまうと、成約しにくくなってしまう場合があるので注意しなければなりません。
売りたい理由別マンション売却の最適プラン
マンション売却を検討する理由は人によってそれぞれ違います。生活環境の変化による住み替え、相続した親名義のマンションを処分したいなどの理由が多いです。また、住宅ローンの支払いが難しくなり、売却しなければならない場合もあるでしょう。
マンション売却を検討する理由によって、適した処分方法が異なります。したがって、不動産会社へ依頼する場合、マンション売却を検討する理由はとても重要になってくるのです。
マンション売却の理由①生活環境の変化
生活環境の変化による住み替えをする場合、居住物件を売却すると同時に新たな物件を購入する手続きをします。売却と購入を同時に行うのが理想的だと言えるでしょう。居住物件の売却代金を新たな物件の購入資金に当てられるので、資金計画も立てやすくなります。また、新たな物件へ直接引越しできるのも大きなメリットです。住み替え目的でマンション売却を考えているのであれば、売却と購入を同時並行で手続きしてもらえる不動産会社へ依頼しましょう。
マンション売却の理由②相続したマンションの売却
相続した親名義のマンション売却の場合、早期に処分したいと考えているのであれば、不動産会社に買い取りをしてもらうとよいでしょう。処分を急いでいないのであれば、高い価格で売却できる仲介の方法を選択したほうが好ましいです。相続した親名義のマンション売却の際、相続人が売主とならなければなりません。したがって、売却までに名義を相続人へ変更しておく必要があります。
マンション売却の理由③住宅ローンが支払えない
住宅ローンの支払いができなくなってマンションを売却する場合は、高い価格で売却できる仲介の方法で手続きを行いましょう。この場合、ローンを完済して物件に設定されている担保権を外さなければならないからです。
ただ、オーバーローンの状態になっていて、マンション売却代金や売主の自己資金でローンを完済できない場合もあります。このような時は、売主、買主、売主の債権者の三者間で売買価格を決定して、市場で取引する任意売却の方法で処分するのが一般的です。
まとめ
マンション売却を行う場合、ただ不動産会社へ手続きを依頼すればよいというわけではありません。マンション売却の事前準備、必要書類の収集を行い、どのような方法で処分をしていけばよいかを考えていくことが大切です。
また、内覧は購入希望者が売却対象マンションを購入するか否かの決め手となる重要な局面になります。部屋を綺麗にしたり、明るい雰囲気を作ったりして、購入希望者によい印象を与えるようにしておきましょう。そのため、内覧対策などの物件管理をしっかりしておくことも忘れてはなりません。
マンション売却方法は複数あり、適した処分方法も状況によって違います。高い価格でマンションを売却するには、自分自身でも知識を取得して、不動産会社と共同で手続きを進めていく意識を持つ必要があるでしょう。