固定資産税は必ず相談―払えない場合もまだ間に合う、検討したい打開策
「固定資産税が払えないと、これからどうなるんだろう……?」
固定資産税が払えないと、財産は差し押さえされほとんど売り払われてしまいます。
ここでは「固定資産税が払えないと起こること」と「対処方法」「相談先」を説明していきます。
固定資産税が払えないと起こること
番号 | 起こること |
---|---|
1 | 固定資産税を滞納する |
2 | 督促状が送られてくる |
3 | 金融機関などの取引が停止する |
4 | 財産が差し押さえられる |
5 | 財産が売却される |
固定資産税は、ローンと違い滞納しても自己破産ができないので、免除されることはほぼありません。
固定資産税が払えないときの対処法
番号 | 方法 | 重要度 |
---|---|---|
1 | 通常分納する | ★☆☆☆☆ |
2 | 納税の猶予をもらう | ★★☆☆☆ |
3 | 減免措置の依頼 | ★★★☆☆ |
5 | 自宅を売却する | ★★★★★ |
固定資産税が払えないという状況の場合、分納や猶予を設けてもらっても一時しのぎにしかならず、後でまた支払いに苦しむでしょう。
そのようなときは、自宅は売却せざるをえないでしょう。
目次
固定資産税を払えないと必ず起こる惨事とは?
固定資産税とは、不動産(土地・建物)および償却資産を所有している人に課せられる地方税です。この記事では、不動産の固定資産税が払えない方に向けて説明します。
新築住宅の特例や住宅用地の特例など、条件による軽減措置はあるものの、家を所有する限り払い続けなければいけない固定資産税の負担は、やはりとてもつらいものです。
毎日の生活を支えるだけでも精一杯なのに、老後の心配もしつつ、大きな固定資産税を納めなければいけないのは、本当に大変です。いろいろな状況が重なり、固定資産税が払えなくなってしまうというのも、当然考えられることです。
【滞納者4人のリアルな体験談】「完納はしたいけど」「生活もギリギリ、老後も心配」
実際に、固定資産税を払えずに苦労を重ねている方はたくさんいます。
男性
実家が差し押さえられるかもしれません。母が一人で住んでいるのですが、固定資産税もまともに払えていない状況らしく、差し押さえられるかも…と泣きつかれました。
男性
自己破産して、マンションの競売に際し、固定資産税を一括納入を求めらましたが、応じられずに、差し押さえをされてしまいました。
男性
固定資産税の滞納で、預金を差し押さえされてしまいました。この先どうしたらいいのか、とても心配になっています。
皆さん、日々の生活、差し押さえ、金額、将来、老後のことなどいろいろな面で固定資産税を払えない悩みを抱えています。
また、滞納を続けることは、本人だけでなく家族や会社、知人、その財産にも多大な影響を及ぼしてしまうことがおわかりいただけるでしょう。
本当に起こりうる、固定資産税を支払えない場合の結末とは?
こうした体験談は、決して他人事ではありません。固定資産税の滞納を続ければ、あなたにも本当に起こりうることなのです。固定資産税は、放っておいて解決する問題ではありません。
まずは一歩踏み出して、ご自身の市区町村の役所、無料の弁護士相談を利用して、固定資産税を滞納している総額など、現状の把握を強くお勧めします。
確かに、少し待てば支払えるという能力が見込まれている場合や、しばらく支払えない客観的な理由がある場合には分納や猶予も可能です。
しかし、いずれにせよ、納税者が相談という形でアクションを起こさなければ、このような措置も受けることはできません。支払えないい事情を、誠意をもって各方面に説明する姿勢が必要です。
そうした適切な働きかけがない場合、あなたは固定資産税を払う意思がないと評価されてしまい、どんどん身動きの取れない状況になってしまいます。一人で悩んだり、結論を決めつけたりせず、専門家の意見を聞くことはとても大切です。
他人に言いにくい内容ではありますが、ずるずると引き延ばすと、さらに悪い状況に追い込まれるだけです。
もし、固定資産税を滞納したまま、ずっと何の相談もせず放置すれば、最後は市町村による住宅差し押さえ(滞納処分)を受けます。納税義務者本人の給与や預金などが差し押さえられることも考えられます。
差し押さえに至る放置期間については、各市町村の判断や滞納者個人によって異なりますが、滞納をし続けることの延長にはこのリスクがあることを覚悟しなければなりません。
固定資産税を払えない場合に今すぐやれる、4つの相談・対処法
通常分納
通常分納は、滞納していた固定資産税を、分割して支払う方法です。役所での徴収担当者との口頭手続きや、電話での手続きをすることで、納付書が送られます。
しかし、延滞税は免除されません。さらに、せっかく分納にしてもらったにもかかわらず期日までの支払いができないということは許されず、その場合は弁明の機会を与えられることなく、一気に差し押さえになるリスクがあります。
納税の猶予
納税の猶予は、納税義務者が一定の条件に該当する場合、その固定資産税支払いに対して、一定期間猶予が与えられる方法です。
滞納した固定資産税を分割して支払えるだけでなく、そこにかかる延滞税まで免除される点で有利ですが、他の方法と比べて手続きがかなり面倒というデメリットがあります。
また、納税の猶予が認められるには審査が必要で、ハードルは高いといえます。
減免
減免は、納税義務者が特定の条件に該当する場合、各市町村長によって、固定資産税納税義務の一部が免除されるという方法です。
家の売却
住んでいる家を売却するという方法もあります。ずっと過ごしてきた家を売ることへの抵抗は確かになかなか大きいものです。
しかし、この方法には、これまでにはない多くのメリットがあります。
いきなり家を売るなんて不安。それでもあなたが売却を検討するとよい理由
家を売却することで得られるさまざまな利点を、これからお教えします。
手続きを早く進めやすい
売却を依頼する不動産業者との二人三脚で作業を進められるため安心ですし、「納税の猶予」のような面倒な書類の往復や「減免」のような限定的な条件も必要ありません。
スピーディーに行える可能性が高いのが、家の売却なのです。
大きな収入が期待できる
他の方法が、支払うべき固定資産税をいかに少ない負担で納税するかという伸びしろの限られたやり方であるのに対し、家の売却では、一気にそれを解消できるほどの収入が手に入る可能性があります。固定資産税滞納の根本的な解決を目指すのであれば、適切な選択肢といえます。
差し押さえの経歴がつかない
さらに、公売にかけられる前に任意売却をすることで、差し押さえの経歴がつかないというメリットも生じます。固定資産税の問題が解消した後にも、新たな物件の購入など、さまざまな選択の機会が出てきます。
そんなとき、差し押さえの経歴がないという事実は、あなたの選択の可能性を大きく広げてくれることでしょう。これは無視できない利点です。
固定資産税、払えないケースごとにできる相談・対処法
それでは、2.で説明した各対処法が、それぞれどのような方、どのようなケースに適しているのかについて回答していきましょう。
数回の分納で解消できそうな場合の対処法
一括では無理だったが、何回かに分ければ納税が可能という、比較的余裕のある方に向いているのが、「通常分納」です。
この方法を取った場合、改めての弁明の機会が与えられなくなるので、絶対に分納すれば支払いきれるという自信のある方以外には、おすすめしにくいです。
納税できない客観的な理由がある場合の対処法
以下の条件に当てはまる方は、一度「納税の猶予」を考慮してみてもよいでしょう。
- 災害や盗難にあった
- 本人や家族が病気やケガをしてしまった
- 事業で著しい損失を受けた
- 事業を休止・廃止してしまった
- 災害・盗難・病気・ケガに類似するようなことが起きた
- 事業の廃止・休止・著しい損失に類似するようなことが起きた
こうした状況に置かれていることを真摯に説明することが求められます。また、比較的手続きの多い方法なので、そうした手間がかかることは理解しておく必要があります。
減免制度に当てはまる場合の対処法
以下の条件に当てはまる方は、「減免」が活用できる可能性があります。
- 生活保護を受けている者が所有する固定資産
- 自治会集会所など、専ら公益のために利用される固定資産
- 火災などで著しく利用価値が低下した固定資産
上記のように、減免制度が適用される条件はかなり限定的です。ここに当てはまらない多くの固定資産税滞納者は、別の方法を実行するしかないでしょう。
それでも払えない場合に検討したい対処法
上記のいずれのケースにも当てはまらない方でも、固定資産税が払えない状況を脱することができる対処法として検討したいのが、「家の売却」です。
先に紹介したように、シンプルな手続き、大きな収入、公売にかけられることの回避、差し押さえの経歴の回避といういくつかのメリットがあり、検討すべき選択肢の一つです。
【まとめ】固定資産税が払えないままじゃまずいけど、誰に相談すればいいの?
まず初めに行っていただきたいことは、お住まいの市区町村の役所への相談です。
自分で問題の全てを抱えている状況から、とにかく一歩踏み出して真摯に説明と相談をすることで、次にすることがクリアになるはず。
一方、通常分納や納税の猶予、減免などの措置は、対象が限られる度合いが大きいです。
先述のとおり、家の売却といういくつかのメリットがある選択肢を検討する方が有効だといえます。
家を売却するメリット
- 手続きを早く進めやすい
- 大きな収入が期待できる
- 差し押さえの経歴がつかない
もちろん、これまで過ごしてきた家を売ることからくる物質的・精神的なダメージは少なくありません。だからこそ、しっかりと考えて決断を下してほしいと思っています。
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固定資産税の支払いに苦戦しています。もう本当に嫌になります。子供が4人いますし、夫の収入だけではやり繰りが不安になった時期には私も当然働きましたが子供たちの教育費も結構掛かりました。上の3人の子供たちは大学を無事に卒業しましたが余分なお金は一切無い状態で生活を維持してきたんです。
女性