不動産の公売とは?任意売却なら最大30%もお得になる?
「不動産の公売だと安値でしか売れないって本当?」
公売とは、金融機関などが借金の未払いについて申し立てをし、それによって裁判所が家を差し押さえて行う競売とは違い、未払いの税金を回収するために国が家を差し押さえて売却する行為です。
このサイトでは、不動産の売却は避けられない状況でも、「納得して売却をする方法」を紹介します。
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目次
不動産の公売ってどのようなもの?
不動産の公売が行われる条件は?
公売とは、滞納した税金を回収するために税金滞納者から財産を国が差し押さえて、入札などの方法で売却する制度のことをいいます。
現在では、インターネットでの公売も行われています。対象となる税金は全てであり、税金の不足分を補うため、可能なかぎり公売は行われます。
公売は、公売財産の所有者である税金滞納者、税務署や国税庁、国税局の職員、公売への参加を制限された人以外であれば、原則誰でも参加することができます。
基本的に不動産が公売に掛けられることになりますが、宝石類や自動車などの動産についても、差し押さえの対象になります。
なお、公売に掛けられはしないものの、預貯金や給与といったものも差し押さえられます。差し押さえを防ぐには、滞納した税金をすべて完済することが必要になります。
不動産の公売と競売の違いは?
公売と同じようなものに競売があります。
どちらも債務不履行による不動産の差し押さえをして売却するという点では同じですが、さまざまな違いがあります。
まず公売は、税金を滞納した場合に不動産が差し押さえられて行われますが、競売は住宅ローンの滞納や借金の未返済、不動産担保ローンの回収などの返済ができなかった場合に不動産を差し押さえられて行われます。
また、公売の場合は管轄が国や地方自治体であるのに対し、競売は裁判所の管轄下になります。
一般に、入札後の物件に住み続けてしまった際には強制的に立ち退きをさせられる強制執行を受けることになりますが、競売については認められているものの、公売では所有権による明渡し請求訴訟の結果次第では強制執行が行われません。
そのため公売は競売と比べ、強制執行をするために時間と労力を浪費することになります。また、公売も競売もインターネットでの情報公開や期間入札を行うなど、仕組み自体はほぼ同じになります。価格相場についても、公売と競売共に市場価格の70~80%となっています。
公売での売却費用は債権者と買受人のどちらが負担する?
不動産公売のメリットの一つとして、価格の安さがあります。また公売で出品されている物件の中に良い物件が見つかる可能性もあるかもしれません。
では、公売を利用する場合、どのような費用がかかってくるのでしょうか。
まず、公売財産の権利移転にともなう費用が発生する場合には、その費用はすべて買受人が負担することになります。その他にも必要になる費用として挙げられるのが、公売物件の買受代金の納付にかかる費用と必要書類を準備するためにかかる費用です。これらを用意する必要があれば、すべて買受人の負担となります。
また、公売で落札した物件に以前の占有者が居座り続けている場合、強制執行で立ち退きをするよう求めることができます。
しかし公売物件では、強制執行をするために所有権に基づく明渡し請求訴訟を起こし、これに勝訴する必要があります。この訴訟には費用が必要になるのですが、すべて買受人が負担しなくてはならないので注意が必要です。
公売物件の落札を考えるのであれば、買受代金と諸経費、そして訴訟を起こすための費用など、余裕をもって資金の準備をすることが大切になります。
税金の滞納から公売までの流れ
不動産の公売を始める手続きの方法は?
公売手続きは、どのような流れで行われるのでしょうか。
まず、税金の滞納が明らかになり督促状が送られてくることになりますが、それでも滞納分の納税をしなければ差し押さえが行われます。そして、差し押さえされた不動産などが公売に出されることになります。
公売では、「期日入札」「期間入札」「インターネット公売」「広告随意契約」の4つの方法で売却されます。
「期日入札」は、1日で開札までの全てを行う入札方法になります。ただし、必ず入札ができるわけではありません。
次に「期間入札」ですが、公売公告に記載の期間で行い、公売開催地へ出向かずに郵送での入札もできます。そしてもっとも利用されているのが「インターネット公売」であり、オンラインでの公売が盛んに実施されています。そして「広告随意契約」は広告で行う公売で、申し込みをした人の中で選ばれた人が買受人となります。
不動産が公売になるとき、差し押さえられるのはどのタイミング?
公売手続きは、どのような流れで行われるのでしょうか。
まず、1日でも納付期限を過ぎれば「税金の滞納」となります。なお、税金の納付期限は自治体や税金の種類によってそれぞれ違います。納税通知書に記載されています。
次に「督促状による催告」が行われます。この督促状は、納付期限後20日以内に送付されます。また法律上は、督促状の発送日から10日を経過すると「財産の差し押え」を行うことができるとされています。
督促状が送付された後でも滞納した税金の納付が行われないときは、「電話や文書などによる催告」が行われ、文書や電話、場合によっては訪問による催告が行われます。また、滞納者がどういった生活をしているのかなどの身辺調査や、差し押さえを行うための財産調査も実施されます。
財産調査の結果を基に、差し押さえの必要がある財産が決定された後、差し押さえが行われます。動産となると、自宅や事務所を捜査してから差し押さえが行われることになります。また、滞納者が保有している第三者に対する債権なども、財産として差し押さえの対象になります。
不動産の差し押さえがなされた後は差押登記が行われ、抵当権者には差押通知書が通知されることになります。なお、差し押さえの対象が給与の場合は勤務先へ、預金が対象となると金融機関へ差押通知書が通知されます。
差し押さえ後も滞納分の完納がされない場合、インターネットまたは入札による公売が開始されます。さらに、債権などの取り立ても行われます。
公売で換価された金額は、滞納した税へ充てられることになります。
なお、税金滞納での差し押さえは法律で定められていることから、裁判所からの許可や判決を得る必要はありません。
また、税金滞納者の同意や事前連絡も行わずに行政処分をします。滞納した原因や滞納金額などで違いはあるものの、納付期限から約2ヶ月で財産の差し押さえが行われる可能性があります。
共同持ち分の不動産の場合、公売はどのように執り行われるのか
不動産の所有にはいろいろな形態がありますが、一般的には単独での所有が多いようです。
しかし、相続などで2人以上が共同で不動産の所有をするというケースも見られます。そこで気になるのが、固定資産税の問題。もし、共同保有の不動産の固定資産税を滞納した場合、どんなことが起こるのでしょうか。
まず、固定資産税は、共同保有している人が連携して支払う必要があります。例えば、2人の共同保有者の間で固定資産税の支払いは半分ずつというルールがあったとします。Aさんは固定資産税を決められたとおりに支払い続けていましたが、Bさんは何かしらの理由で支払いませんでした。
この場合、固定資産税を半分納めてはいないので、滞納しているということになります。これにより、役所から支払いをするよう納税の請求がきます。
しかし、固定資産税の支払いは連帯責任ですから、支払いを続けていたAさんも支払いをする義務があるのです。このまま滞納した税金を支払わずにいると、不動産を差し押さえられることになり、最終的には公売にかけられることになります。
では、固定資産税以外の税金で滞納が起きた場合、公売の手続きはどのように行われるのでしょうか。税金の支払いは不動産の持ち分によって決定されるのが一般的です。
例を挙げると、AさんとBさんが共同で不動産を所持しており、持ち分は5対5とします。税金の支払いについても、持ち分どおりですから、半分ずつ支払うことになります。
Aさんは滞納もなく、税金を支払い続けましたが、Bさんは滞納をしてしまいました。
そのまま税金の支払いができないままでいると、役所はその滞納分を回収しようと財産を差し押さえます。
しかし、Aさんの持ち分は差し押さえられることはありません。
つまり、公売手続きにはBさんの保有分だけが出されることになります。ですから、購入者はAさんと共有して不動産を所持することになり、Aさんはそのまま住み続けることが可能です。
ちなみに、購入者は半分の権利をもっていますので、今後例えば不動産を売却した場合には、得た金額から持ち分だけもらうことができます。
公売された不動産は買受人によって買い取られる!
公売された不動産の買受人を決める方法は?
公売の参加には条件がありますが、その条件とはいったいどんなものなのでしょうか。
まず、公売の参加者は、「税金滞納者ではないこと」「国税局や税務署、国税庁で働く職員でないこと」「公売への参加制限を受けていないこと」という3つの参加要件を満たした人になります。それから入札が行われるのですが、公売にはいろいろな方式があります。
まず「期間入札」ですが、公売の入札方法の一つで税務署長または国税局長が設けた期間中に入札の受付をし、後日開札で最高価申込者が決まる入札方法です。
次に「期日入札」は、定められた日時・時間・場所で入札が行われ、その日に開札を行って最高価申込者を決める入札方法となります。
もっとも行われているのが「インターネット公売」で何回でも入札可能なせり方式や1回だけ入札できる入札方式があります。
最後に「広告随意契約」ですが、他の方法とは違い申し込みをした人の中から選抜し、選ばれた人に売却する方法です。
差し押さえられた全ての公売物件の買受人は、これらの方式を使って決定されていることになります。
この買受人とは、公売への参加要件を満たした人のうち公売不動産などをもっとも高い金額で落札した人を指します。
もし、もっとも高い金額で公売物件を落札したとしても、参加要件について満たすことができなかった場合、その資格は取り消されて次順位の申込者に買受人の権利が渡ることになります。
任意売却も一つの方法
公売以外にも、不動産を売却して債務の回収をできる方法があります。
それは、「任意売却」です。
まず、任意売却では売却にかかる費用負担がほとんどないというメリットがあります。仲介手数料や抵当権末梢登記料といった費用は売却代金に含めることが多いです。
また、引っ越し費用についても同様にすることが可能です。
さらに、任意売却は早い段階で売却ができるため、精神的にも楽に利用することができるでしょう。
任意売却のもっとも大きいメリットは、市場価格に近い金額で不動産を売却できるということにあります。
例えば不動産の市場価格を3,000万円とした場合、任意売却では市場価格に近い3,000万円前後での売却となります。
なお、公売を取り下げて任意売却できる期間は、約1ヶ月ですので、早い段階で相談することが大切になります。
まとめ
- 公売は市場価格の7~8割の金額になる
- 公売の管轄は国や地方自治体であるため、時間とお金がかかる
- 公売に出されて1ヶ月以内なら任意売却を選択できる
- 任意売却は市場価値に近い金額で早く売却できる
税金の滞納により不動産が公売に掛けられた場合、実績がある不動産会社にお願いするなど任意売却することを検討するのも一つの方法です。
しかし不動産会社の良し悪しは、1社としか相談をしていないのでは気づくことができません。
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