不動産売却の費用

2020-11-12

手付金解除と違約金は違う?不動産売買で生じる4つの違約金と相場

不動産会社と解約したいけど、違約金は払いたくない……。

不動産売買では契約に違反すると違約金が取られてしまいます。
しかし、違約金を支払わなくていい場合もあります。

ここでは「違約金を支払わずに済む場合」と「違約金の種類・相場・上限」について説明します。

【不動産売買における売主側の4つの違約金】
種類 発生条件 金額
媒介契約の違約金 不動産会社との契約を期間中に破棄する 売買価格の3%+6万円
売買契約の解除料 売買契約を自分都合で解除する 手付金の倍額
売買契約の違約金 売買契約の内容に違反する 売買価格の10%
売買契約の損害賠償 (違約金の額が取り決められていない場合)
売買契約の内容に違反し、相手に損害が発生する
損害賠償額

目次

    違約金を支払わなければいけない4つのケース

    契約方法や契約の設定期間によっては違約金を支払う必要があります。

    【違約金を支払う必要がある場合】
    • 仲介会社との専任媒介契約を3ヶ月以内に解除したとき
    • 仲介会社との専属専任媒介契約を3ヶ月以内に解除したとき
    • 売買契約を売主の都合で解約したとき
    • 当事者が契約違反したとき

    以下で詳しく説明していきます。

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    不動産の仲介会社との契約解除を行う場合

    不動産会社と締結する媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

    【媒介契約の種類と違約金の発生期間】
    媒介契約の種類 内容 契約解除で違約金が発生する期間
    一般媒介契約 複数の不動産会社に仲介手続きを依頼でき、自分でも買主を探せる なし
    専任媒介契約 特定の不動産会社だけしか仲介手続きを依頼できないが、自分で買主を探せる 3ヶ月以内の解約
    専属専任媒介契約 特定の不動産会社のみに仲介手続きを依頼できるが、自分で買主を探すことはできない 3ヶ月以内の解約

    専属専任媒介契約と専任媒介契約は、契約の有効期間が最長で3ヶ月と規定されています。

    そのため、3ヶ月以内に解約した場合、媒介契約から解約時までの仲介業務をするためにかかった実費を不動産会社に違約金として支払う必要があります。

    これに対して、3ヶ月を経過してから媒介契約を解約した場合、違約金はかかりません
    3ヶ月を経過して更新をしなければ契約は満了であり、特に契約に反することはしていないからです。

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    違約金がかかる理由・内訳

    違約金を支払う必要がある場合
    • 不動産サイトへの掲載費
    • チラシ代
    • ポスティングを含めた人件費

    以上のようなものにお金がかかるため、契約を解除すると違約金を支払う必要があります。

    媒介契約を解約するときにかかる違約金の相場は?

    専属専任媒介契約か専任媒介契約を3ヶ月以内に解約する場合、違約金を支払うことになります。

    専属専任媒介契約・専任媒介契約の場合は、媒介契約書で約定報酬額に相当する額の違約金を請求できると定められています。

    具体的には、不動産売買価格の3%に6万円を足した額と消費税です。例えば売却不動産が1,000万円である場合、36万円と消費税が違約金としてかかることになります。

    しかし、媒介契約から解約までの期間、売却の仲介業務で発生する実費は、多くて10万円から20万円程度であるのが通常です。

    違約金が20万円を超える場合には、内訳の説明を聞いたうえで交渉する余地があります。

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    買主との契約解除をして違約金が発生する場合

    売買契約を解除して違約金や損害賠償金が発生する場合には、大きく分けて二つが考えられます。

    【売買契約を解除するケース】
    • 売買契約を締結して手付金の授受を済ませた後、自己都合で解除するとき
    • 売買契約締結後、当事者のどちらかに契約違反があるとき

    手付解除とは

    売主側が手付解除をする場合、買主側に対して、受領した手付金の倍額を支払うことになります。
    一方で買主側は、売主側に支払った手付金を放棄すれば、手付解除をすることができます。

    ただし、いつでも手付解除ができるというわけではなく、解除できる時期には、一定の制限があります。契約の解除は「当事者の一方が履行に着手するまで」であれば解除できるとしています。

    不動産売買の場合であれば、買主が売買代金の一部を提供したり、支払ったりした場合、履行の着手があったといえ、これらの行為後、売主側は手付解除ができないことになります。

    契約違反による解除とは

    契約違反による解除は、当事者の一方が売買契約によって定められている義務を果たさない場合、義務違反をしているとして契約を解除できるというものです。

    契約違反によって契約を解除された側は、相手側へ違約金を支払わなければなりません。

    手付解除によって支払う手付金は解除するための迷惑料のようなものですが、契約違反による解除の場合に支払う違約金は損害賠償の性質を有しているという違いがあります。違約金の額は不動産売買契約書で定められているので、その額を相手側に支払うことになります。

    売買契約において高すぎる違約金は無効になる

    契約違反による解除をされた者は、契約に基づいて相手側に違約金を支払うことになりますが、通常は不動産売買契約書に支払う違約金の額が定められています。

    しかし、契約違反による解除をされたときに支払う違約金は、無制限に定められるわけではありません。
    消費者契約法9条1号では、不動産売買契約を締結する当事者によって一定の制限が設けられており、上限を超える違約金は無効とすると記述されています。

    例えば、事業者と消費者が2000万円の土地の売買契約を締結し、契約違反による解除をしたときに支払う違約金を1500万円と定めたとします。
    その後消費者が契約違反をしてしまい、事業者が契約解除したときに生じる平均的な損害が200万円とすると、1300万円分は無効になるということです。

    違約金の相場は、売買価格の10%

    また、不動産売買契約を締結したときに定められる違約金の相場は、通常売買価格の10%程度で定められることが多いです。

    例えば2000万円の不動産の売買契約を締結した場合、定められる違約金の額は200万円程度となるのが通常です。

    違約金が支払えないときは「分割払い」ができる

    不動産の売買契約で発生する違約金は、数百万円単位となります。

    ある程度の資産をもっている人であれば、数百万円単位のお金を一括で支払うこともできるでしょうが、一般の人の場合、なかなかそうはいきません。

    もし契約違反をしてしまい、不動産の売買契約を解除されて違約金が発生すると、支払えない場合も出てくるでしょう。

    そこで「分割払い」が可能になっています。上記の例で200万円の違約金を支払わなければならなくなった場合、毎月5万円の40回払い(※ただし、利息を考慮していない)であれば、一般の人でも十分支払いが可能だといえるでしょう。

    違約金が高すぎた場合

    相手方と分割払いで違約金を支払う旨の合意をするには交渉力や法律的な知識が必要となります。
    このような場合、本人を代理して法律事務をしてくれる弁護士にお願いした方がうまくいくでしょう。

    また、違約金が高すぎてどうしても支払うことができない場合は、法律的な整理が必要となる場合があります。

    このようなときは弁護士へ相談または市などの無料法律相談を利用したりして対処するといいでしょう。

    不動産売買の契約を行っていく中で不明な点があれば、仲介不動産会社の担当者に確認しておいた方がいいでしょう。

    不動産売却の違約金と損害賠償は事実上同じである

    違約金とは、契約当事者のどちらかが契約違反をした場合、相手方に対して支払うと定めた金銭のことをいいます。

    これに対して損害賠償とは、契約当事者の一方が契約違反をしたことによって、相手側に損害が発生した場合、その損害を賠償するために金銭を支払うことをいいます。

    違約金の場合は、損害が発生していなくても、契約違反があれば支払い義務が発生することから損害賠償とは違います。

    【違約金と損害賠償の違い】
    支払う金銭の種類 内容
    違約金 契約当事者のどちらかが契約違反をした場合、相手方に対して支払うと定めた金銭のこと
    損害賠償 契約当事者の一方が契約違反をしたことによって、相手側に損害が発生した場合、その損害を賠償するために金銭を支払うこと

    ただし、民法420条3項に「違約金は、損害賠償の予定と推定する」との規定があります。この規定によって、契約書に違約金の定めがあった場合、その額が損害賠償額の予定と扱われることになります。

    この場合、損害賠償額は契約書に定められている違約金の額を超えることはできないのです。

    そのため、契約の中では、違約金と損害賠償は事実上同じものだといえるでしょう。

    まとめ

    • 不動産会社との違約金相場は10万程度
    • 買主との売買契約においての違約金は数百万単位
    • 違約金が払えないときは分割払いをする
    • 不動産会社を選び直すならSUUMOの一括査定
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