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単純承認は、不動産を含めた被相続人の財産を全て承継する

更新日:2016年9月5日

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親(被相続人)が死亡して相続が発生した場合、相続人である妻や子などが財産を受け継ぐことになります。

しかし、プラスの財産(資産)であれば問題がないものの、借金などのマイナスの財産(負債)は受け継ぎたくないもの。

相続人は、被相続人から財産を受け継ぐかどうか、あるいはプラスの財産のみを受け継ぐといった選択をすることはできるのでしょうか。

そこで今回は、単純承認を中心に相続方法について説明をします。

この記事のPOINT
  • 相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの方法がある
  • 単純承認は、被相続人の財産を無制限に承継する
  • 単純承認をする場合、プラスの財産のほうが大きくなければ損をしてしまう

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相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの方法がある

日本では、相続財産に占める不動産の割合が非常に高い

相続はほとんどの人が一度は経験するかと思います。しかし、法律問題が絡むため、難しそうなイメージがありますね。争いの原因になる場合もあるので、痛い目を見ることも……。

我が国の相続事情で一つ特徴を挙げると、相続財産に占める不動産の割合が非常に高いという点です。相続財産は相続税の評価のために、その全ての価値が数値化されます。具体的に言うと、現預金はそのままの評価額ですが、有価証券や不動産は一定の方法で数値化され、それによって税金の計算ができるようになります。その数値化された相続財産のなかで、不動産が占める割合が非常に高いということです。特に、地方で土地付き一戸建てのマイホームに住む両親などが死亡し、相続が発生したようなケースで顕著です。

一般に不動産が絡む相続事案は扱いが難しく、争いが発生しやすいので、特に慎重に進める必要があります。そこで今回は、相続の際に痛い目を見ないようにしっかりと勉強していきましょう。

相続人は「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを選ぶ

まず、被相続人が死亡して相続が発生したとき、相続財産の承継(相続方法)の仕方について、相続人は後述する3つの選択肢のうち、どれかを選ばなくてはなりません。この選択は一定期間の間に決めなければならず、一度決定された相続方法は原則として変更することができません。したがって、相続方法の選択は慎重に行う必要があります。

相続人が選択できる相続方法は次の3つです。以下で詳しく見ていきましょう。

【3つの相続方法】
  • 単純承認
  • 限定承認
  • 相続放棄

単純承認は、被相続人の財産を無制限に承継する

単純承認は、被相続人の財産を「無制限に承継する方法」です。単純承認は、現預金や不動産などのプラスの財産(資産)はもちろんのこと、借金などのマイナスの財産(負債)も全て相続の対象になる点には注意が必要です。つまり、被相続人の相続財産の調査を行ってというわけです。

故人が何か事業をやっていた場合は、隠れた借金や借入があることも想定されるので、財産調査は特に綿密に行う必要があります。調査の不備で単純承認をした後に隠れた借金が発覚し、これがプラスの財産を上回る場合は、相続人は自腹でその借金を弁済しなければなりません。

なぜなら、原則として相続方法の変更はできないからです。特別な事情がある場合は裁判などで相続方法を覆せる可能性もあるものの、この点については後述します。

単純承認は被相続人の財産を無制限に承継すると説明しましたが、厳密には相続されない財産もあります。それは、被相続人の一身専属の権利義務です。一身専属とはその人一代限りに認められるもので、その性質上他人に譲ったりすることができず、相続の場合も承継されることはありません。

例えば、運転免許は車を運転できる権利ですが、これはその人にのみ認められるものであり、相続人には承継されません。ほかにも、使用貸借契約における借主の地位は、貸主との特別な信頼関係において得た地位なので承継されません。代理契約での本人としての地位と代理人としての地位、会社から雇われる被用者の地位なども同様です。

単純承認は、こういった性質上承継されない権利義務以外の一切の権利義務を無制限に承継するので、被相続人の財産の調査は必ず行うようにしましょう。

限定承認は、プラスの財産の範囲内でのみ承継をする

次に、限定承認についてです。限定承認とは、プラスの財産の範囲内でのみ相続の承認をする方法です。以下で、具体的に説明をしましょう。

先ほど、相続財産の調査でマイナスの財産が多くないかを調べる必要があると言いましたが、この調査はなかなか一筋縄ではいかないことも多く、時間がかかる場合もあります。

調査では、プラスの財産額とマイナスの財産額の両方を特定しなければなりません。プラスの財産については、故人が付き合いのあった銀行などは比較的に判明しやすいものの、不動産については、どこにどのような物件を保有しているのか分からないことがあります。また、他人にお金を貸している場合にはこれもプラスの財産になりますが、貸付証明などの保管場所が分からないと相続財産に加えることができません。有価証券なども同様です。

そして、もっと大変なのがマイナスの財産です。借金は家族にも秘密にされることが多く、この調査が大変手間のかかる作業になります。借金がある人は借用書などだけでなく、利息の説明がされた文書など、手がかりになるものを保管していることがあるので、そういった手がかりから個別に借り入れをしている機関なり個人なりに連絡を取る必要があります。これには経験やカンが必要になるので、相続事案を多く扱う弁護士や司法書士、行政書士などの力を借りるほうが安全なケースもあります。

このように調査に手間や時間がかかるため、素人の調査能力では不安がある場合は、プラスの財産の範囲内でのみ相続の承認をする方法が限定承認です。

とても便利な相続方法ですが、限定承認をするには相続開始から(相続が発生したことを知ってから)3か月以内に手続きをしなければならず、相続人が複数いる場合には全員の合意で行う必要があるなどの制約もあるため、利用件数の実情としてはあまり多くありません。

相続放棄は、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も全て承継しない

最後が相続放棄です。これは被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も全て承継しない方法です。

財産調査の結果、マイナスの財産のほうが多いことが判明し、承継するメリットがない場合はもちろん、プラスの財産のほうが多くても、ある特定の効果を狙ってあえて相続放棄を選択することもあります。

例えば、ほかの相続人の取り分を増やすために、自分は承継を辞退する場合などです。両親のうち父親が死亡し、妻と子どもが相続人なるケースでは、夫の死後に生活費が必要になる妻に取り分を増やしてあげるために、子どもが辞退することもあります。また、妻が利用できる相続税の控除など優遇措置を利用して、家族全体としての税負担を減らすために利用されることもあります。

相続放棄をすると、その者は「最初から相続人ではなかった」という扱いになります。そのため、もし下位順位の相続人が生存している場合は、その下位順位者が繰り上げ当選のように相続人となることができます。

配偶者は必ず相続人となり、ほかに次のものがいる場合は上位者から順に相続人になります。そして、上位者が相続放棄をすれば、その下の次順位者が相続人となります。

【相続の順位】
第一順位
第二順位 直系尊属(親や祖父母など、上の世代にさかのぼる)
第三順位 被相続人の兄弟姉妹

ただし、例えば第一順位の子が複数いて、そのうちの一人が相続放棄をした場合、すぐに次順位の直系尊属は繰り上がらずに、同順位であるほかの子に取り分が併合されます。つまり、兄(長男)が相続放棄をすると、弟(次男)が自分の取り分と兄の取り分をまとめて承継できるということです。この場合、直系尊属は相続人となりません。

相続放棄を選択する場合は、相続開始から(相続が発生したことを知ってから)3か月以内に手続きを行う必要があります。

相続方法を行使するには、相続の発生後でなければならない

それでは、被相続人となる者が死亡する前に単純承認や相続放棄などをすることはできるのでしょうか。

この点、相続方法の行使は相続の発生後でなければできないため、開始前には承認や放棄をすることは不可能です。これは、被相続人となる者の生前の影響力による強制を排除するためと言われています。

これによって、例えば特定の相続人に遺産を集中させたいので、それ以外の者にあらかじめ相続放棄を迫るといった行為や、借金の返済を強制させるために事前に承認させておくなどの行為を排除することができるわけです。

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