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不動産を売却した後、確定申告で損をしないための基礎知識

確定申告ってする必要あるの?

確定申告をしなければならないのは「売却をして利益が出た場合」「譲渡損失を損益通算という特例が利用できる場合」の2つが主に挙げられます。

ただ、確定申告は申告制の必要性などの判断や手続きが複雑でわかりにくいですよね。 そこで確定申告の概要や、手続きの方法、計算方法、必要書類、ケース別モデルについてまとめたので見ていきましょう。

不動産ってどう売るの?損しない不動産売却の始め方

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POINT
  • 不動産を売却して、利益が出た場合に確定申告をする必要がある
  • 確定申告をすると、控除や還付を受けられるというメリットがある
  • 確定申告は「法律上、申告しなければならない人」と「法律上の申告の義務はないけれど、すれば一定の恩恵を受けることができる人」に分かれる
  • 確定申告の期限間近に申告すると、チェックが甘くなるということはない

不動産を売却したら、確定申告をしておこう

不動産売却の確定申告は、何を「確定」して「申告」するのか

よく耳にする「確定申告」。
そもそも、この「確定申告」とは、一年間(※1月1日から12月31日まで。「年度」ではないので注意!)の所得(給与、不動産売却時に出た利益)とそれにかかった所得税を確定し、税務署に報告するものです。

一般に会社に勤めている人は会社が年末調整を行ってくれるので、給与部分の申告はできています。
が、それ以外に不動産を売却して手元にお金が入った場合、その部分の申告をしなければなりません。

「持っている不動産を売却したけど、確定申告なんてしてない!不動産屋さんにしなくていいって言われた!」なんて人もいるかと思いますが、売却したら必ず確定申告をしなればいけないわけではありません!
基本的には不動産を売却して、利益(譲渡益、売却益と言う)が出た人だけが申告をする必要があります。
もちろん、マイナス(損益)が出た人も確定申告をしたほうが得なケースもあります!

不動産売却で確定申告をするメリットとデメリット

確定申告は、控除や還付が受けられることが最大のメリットです。例えば、特別控除や買い替え特例です。ただし、そのようなメリットを受けるためにはいろいろと条件があります。

逆に、税金を多く納めなければならない可能性があるという点がデメリットです。

デメリットというか、所得に対して真っ当な税金の請求なので、当たり前のことなのですが……。

たまに、譲渡益が出ても確定申告をしない人がいます。もちろん、税務署から「お尋ね」が来なければいいのですが、もし来た場合には、延滞税や罰金を請求されます。それが支払えなければ、差し押さえ(※不動産だけでなく、口座なども)を受けることになります。

ただし、実際のところ、譲渡益が数十万などで個人監査が入ることはあまりありません。しかし、運悪くて監査が入り、すごい額の税金を請求され、破産した人もいるので、やはり申告したほうがいいかと思います。

確定申告の分かりづらい点として、その申告の必要性の判断が分かりにくいというものがあります。

確定申告は

  1. 法律上、確定申告しなければならない人
  2. 法律上の申告の義務はないけれど、すれば一定の恩恵を受けることができる人

に分かれます。

上記1はその年の中で税務署に報告すべき利益があった人であり、確定申告をしないと追徴課税などのペナルティを受けることになります。

上記2の人は

確定申告しなくてもこうしたペナルティはありませんが、税務上得をする機会を捨てることになります。つまり、手間を考えてその得を切り捨てるという選択肢もOKということです。

そのため、「確定申告をするメリット」というのを考えるのであれば、上記で言うところの②の立場の人が考えることになりますね。

法律上の申告の義務がないけれど、すれば一定のメリットがある人というのは、その年に生じた取引などで、経費などを勘案して計算した結果、赤字が出た人です。

例えば、代表的なものには「医療費控除」があります。その年の医療費は事前に分からないので、事後的に一定の方法で計算して、赤字として申告できる場合には、一定の還付金を受け取ることができます。

不動産の売買取引もこれと似たようなもので、売買取引では通常は売却代金を受け取るのでこれが収入となりますが、これに必要経費などの一定の計算を加えて赤字となった場合には、これを申告することで給与所得の黒字分を相殺して減らし、当該所得にかかる税負担を減らすといった操作ができる場合があります。

場合によっては、それでも残った赤字を翌年以降、一定年の間繰り返し相殺することもできます。これらの点については後述します。

こういった税制上のメリットは利用するかどうかは、個人の判断です。

確定申告の手続きは手間が必要になるため、仕事が忙しい人は申告せずにメリットを切り捨てることもできるし、確定申告してメリットを享受してもよいわけです。

一方、確定申告をしない場合のリスクやデメリットについては、上述した①の人も②の人にもあります。正確には①の人にはリスク、②の人にはデメリットとなります。

まず、②の人は上述したメリットが享受できないので、本来であれば税法上正当に受けることができる還付金や税負担の軽減といった、金銭的な恩恵が受けられません。これが逸失利益(本来得られる利益が受けられない)として現れます。

①の人の場合は、法律上しなければならない確定申告をしないわけなので、これに対してペナルティを受けるリスクがあります。

微妙なことに、我が国の税制ではこのリスクが具現化するかどうかがはっきりしていないので、実際には確定申告を怠ってもペナルティを免れることもあります。

どういうことかと言うと、我が国の確定申告というのは、その年の1月1日から12月末までに生じた所得を「確定して」「申告する」というものです。

税務署が管理する徴税作業になるわけですが、我が国の税制では基本的に申告制を取っており、「自分の所得は、自分で決算して税務署に報告してね」というのが基本的な税務署のスタンスです。

自己申告制のようなものですが、1億を超える国民全員の所得を完全に把握するのは税務署のマンパワー的に現実的ではないので、仕方なくこの方式を取ることになります。

機械的なシステムの支援や給与所得の場合は、企業に仮徴収実務を負担させるなど、いろいろと徴税力を上げるように工夫はしていますが、これも限界があるので、どうしても自己申告制になってしまうのです。

そのため、その年に所得が発生し、税務署に報告すべき利益があった場合には、個人の責任で確定申告をしなければならないわけです。

この申告を怠った場合、税務署がその怠った事実を補足した(知った)ときには、本来支払うべき税金に上乗せして支払わなければならない「無申告加算税」や、悪質な場合にプラスされる「重加算税」、そして利息にあたる「延滞税」などが課されることがあります。

運よく税務署が未申告を補足しなかった場合は、ペナルティが発生しないこともありますが、一定年分をさかのぼってペナルティを課すことも可能なので、その間びくびくして生活しなければなりません。

そのため、①にあたる人は正直に確定申告をするのが賢明です。

不動産の売却益(譲渡益)がある場合、譲渡所得税を納める

確定申告をしなければならない人のなかには「不動産を売却した方」という項目をよく目にしますが、実際は「不動産を売却して、利益が出た方」のみ、確定申告が必要です。

この利益を「売却益」とか「譲渡益」と言います。

そもそもここで言う「利益」というのは、「購入時の金額<売却時の金額」の場合です。

譲渡益が出た場合、購入時にかかった仲介手数料などを差し引くことができるし、控除もいろいろとあります。

買い替えの場合、特例を使うこともできます。詳しくは国税庁のホームページを確認してください。

また、損益が出た人は、そもそも確定申告をする必要はありません。しかし、状況によって申告したほうが得なこともあります。

ただし、損益の計算は物件によって異なり(建物は減価償却があるため、取得費からこれを差し引く必要がある)、また、保有年数にもよっても違います。

これについても、詳しくは国税庁のホームページを確認してください。

不動産の売却に伴って譲渡損が出た場合、は法律上確定申告をする義務はありません。利益がないのであれば、税金が発生しないので、申告自体が不要なのです。

しかし、その場合でも確定申告することで一定のメリットを享受できることは、前に簡単に説明しました。

一定の条件下で、不動産の売却によって生じた赤字をほかの所得の黒字と相殺して、当該黒字の数字を減算し、そちらの所得額を減らすことで算出される税額を減らすことができるのですが、これを「損益通算」と言います。

収入はその個人が生み出す全体の利益で考えるのであるから、ある所得で赤字が出ればその分を考慮して、ほかの所得の黒字を減らして、税負担を減らしてあげようというのが狙いです。

不動産の譲渡所得に損失が出た場合には、以前は第二次通算、第三次通算と経常所得にあたるほかの所得や山林・退職所得などと、レンジの広い損益通算ができていましたが、法改正によってそのレンジの幅が縮められてしまいました。

現在では、一定の条件下で利用することのできる特例が二つあるので、条件を満たす場合はそちらを検討してみましょう。この二つの特例については、後述します。

不動産売却をした際に確定申告をする方法

確定申告の方法は直接税務署に行く、インターネットで行う、申告を郵送するなどがありますが、初めての人は申告書の書き方も分からないと思うので、税務署の行くことをオススメします。

確定申告の時期は税務署に臨時職員がたくさんいて、臨時会場も設けられている所が多いので、分からない点について丁寧に教えてもらえます!

申告の時期は「毎年2月中旬から3月中旬まで」です。日付は、毎年の暦によって変わります。

ちなみに、期限ギリギリになると結構混み合うので、なるべく早めに行く方が待たずに済むかと思います。

なお、「広域申告センター」というのは、本来の税務署の管轄区域を超えて、ほかの管轄区域分の確定申告も行うことができるように特別に設置される、臨時的なセンターです。確定申告の受付に特化しており、首都圏の駅付近などに設置されます。

確定申告は基本的にその人の住所地を管轄する税務署が担当しますが、「広域申告センター」であれば、職場の近くなどで申告できるメリットがあります。

ただし、毎年設置されるとは限らないので、都度確認が必要になります。今年は設置されるのか、またどこに設置されるのかなどを確かめるには、申告を希望するエリアを管轄する税務署に問い合わせをする必要があります。

例えば、東京の麻布に住んでいるので本来は麻布税務署が管轄になるところ、職場が新宿にある場合、新宿付近で広域申告センターがないかどうか確かめるために、新宿税務署に問い合わせをすることになります。

実際は、同じ都道府県内であれば、ほかの管轄税務署エリアについても調べて教えてくれるので、最寄りの税務署に聞いてもよいと思いますが、ほかの都道府県については、「その都道府県の税務署に聞いてくれと」言われるかも知れません。

ここで、まことしやかに噂される、「確定申告の期限間近に申告すると、チェックが甘くなるのか?」ということについて考えてみたいと思います。

結論から言うと、決してそんなことはないのですが、なぜこのような噂があるのでしょうか。

おそらく、申告期限間近の時期は大勢の人が一気に申告することになるので、これを受ける税務署側のマンパワーが足りなくなり、チェックが甘くなるのではないかというのが、根源にあるような気がします。

確かに、この時期は税務署も忙しく、個人の所得税の担当部署以外からも応援を呼んで対応にあたるのが常です。

そのため、あまり詳しくチェックせず受理されることもありますが、受理印付の控えをもらったとしても、それは税務署がその申告の内容を保障するものではないのです。

あくまでも形式上の不備がなく、署名押印などがなされていれば「申告書を受け取った」証として受理印を押印しますが、その申告の中身が本当に正しいか、脱税していないかというのはその場では分からないので、結局は後日にチェックが入ることもあります。

したがって、仮に所得額を低く見積もって作った申告書が受理されても、後日のチェックでその内容に疑わしいところがあれば調査が入り、修正申告が必要になる場合もあります。

申告会場に出向いて申告する場合は、むしろ会場が込み合ってとても煩わしい思いをすることになるので、チェックが甘くなるのを狙って期限間近に申告するのは、あまり賢いやり方とは思えません。

不動産売却の税金を確定申告するときに必要な書類

確定申告に必要な書類は、年間の所得が証明できるものと不動産取得時の売買契約書、経費の分かるもの(領収書)、売却時の売買契約書、全部事項証明書(土地、建物)と、後は印鑑が必要です。

記入書類は、税務署に用意してあります。書き方は税務署の職員が丁寧に教えてくれるので、なぜ確定申告にきたのか、何を申告したいのかを伝えれば、全く知識がなくても申告書を作成することはできます。安心してください!

また、「仕事が忙しい」「よく分からない!」という人は税理士にお願いするのも一つの方法です。税理士にお願いした場合、平均的な報酬は4〜5万円くらいかと思います。

確定申告書の作成は、各種数字を記入していく作業になります。そのため、作成前には下記④の書類を用意したうえで、①~③の書類を作成します。

  1. 確定申告書B様式
  2. 分離課税用の申告書
  3. 譲渡所得の内訳書
  4. 必要経費の額を証明できる書類

①~③の書類は書面としてダウンロードして、自分で計算しながら作成することも不可能ではありませんが、国税庁のHPにある「確定申告書等作成コーナー」から指示に従って入力していけば、全ての書類が出来上がるようになっているので、その方法を使うのが一般的です。

具体的な流れは、以下のようになります。

国税庁の「「確定申告書等作成コーナー」にある「作成開始」ボタンを押し、「書面提出」に進みます。そして、パソコン環境のチェックボタンを全て押し、次に進みます。

「所得税コーナーへ」に入り、「左記以外の所得がある方」の作成開始ボタンを押します。

後は、指示に従って必要項目を記入していけば、自然と下記①~③の書類が出来上がるようになっています。

特に、生年月日などを記入するページの次の、「収入金額・所得金額」の記入ページで、「分離課税の所得」の「土地建物等の譲渡所得」の項目に数字を入れることが主目的になります。

①確定申告書B様式
確定申告書の本体になります。税務署でも入手可能ですが、ネット上でも公開されていて、国税庁のHPからでも入手できます。

②分離課税用の申告書
不動産の譲渡所得は、ほかの所得と総合せずに分離して課税されるものなので、これ専用の申告も必要になります。「確定申告書B様式」と対になるものです。こちらも税務署や国税庁のHPで入手できます。

③譲渡所得の内訳書
実際に売却した不動産の所在地や、売却代金などの情報を記入するものです。税務署や国税庁のHPで入手できます。
④必要経費の額を証明できる書類
例えば、その物件を購入したときの契約書や領収書など、購入金額が分かるものがあれば取得費の証明ができるし、物件を売ったときの不動産業者に支払った手数料の領収書がれば、譲渡費用の証明ができます。そのため、対象物件にかかる購入時・売却時の全ての契約書および領収書を準備しておきましょう。

これらは必須ではないものの、ないと課税額が上がってしまう危険が濃厚なので、ぜひ準備しておきたいものです。

不動産売却のケースによる確定申告方法の違い

不動産売却のケース1:相続物件を売却した場合の確定申告

相続で不動産を承継した場合、ケースにもよりますが、相続税の支払いが発生することがあります。

そして、その不動産を売却すると、今度は不動産の譲渡所得税が発生することもあります。

このどちらも発生した場合、同じ一つの不動産について相続税と所得税と二重の課税がなされることになり、国民の税負担が増してしまいます。

そのため、一定の条件に当てはまれば、最初に支払った相続税の一部を売却時の経費である取得費に加えることで譲渡所得を減らし、譲渡所得税の負担を減らすことができるのが「相続税の取得費加算の特例」です。

相続税の取得費加算の特例が適用されるには、次に挙げる条件を満たすことが必要です。

  1. 相続や遺贈により、財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に、相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

取得費に加算できるのは相続税額全部ではなく、一定の計算で算出した数字が限度になります。

平成27年1月1日以後の相続より取得した財産を譲渡した場合は、「その者の相続税額×相続税の課税価格の計算の基礎とされた、その譲渡した財産の価額÷債務控除前の相続税の課税価格」となります。

詳しくは、国税庁のHPで確認できます。

不動産売却のケース2:居住用物件の売却により利益が出た場合の確定申告

たまに「確定申告は事業をしている人がするものだから、事業者でもなく単にマイホームを売るだけの私の場合、確定申告は不要ですよね?」という人がいますが、これは間違いです。

サラリーマンには確定申告をしない人が多いのですが、これは給与所得だけで、特に医療費控除なども利用しない人のみです。

確定申告は個人事業をしているかどうかということではなくて、一定の利益が出たら誰もがしなくてはなりません。

そのため、複数不動産の買い取って売る行為を繰り返す事業者でなくとも、マイホームである居住用物件を一度だけ売却した場合でも、確定申告の対象になることがあるのです。

利益が出た場合は税金を納める必要がありますが、実際には国が用意する特例などを利用することで計算上の儲けを減らしたり、なくしたりすることで税負担が軽減される、納税が不要になることもあります。

なかでもぜひ利用したいのが「居住用財産の3000万円特別控除」です。

これは、取得費や譲渡費用などの必要経費を引いてもなお残った売却代金から、さらに3,000万円を控除できるので、非常に大きな負担軽減効果があります。
この控除が適用される条件は、次のとおりです。

  1. 自分が現住の家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。現住でない場合の家屋や敷地等は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  2. 売った年の前年および前々年に、マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例またはマイホームを売ったときの軽減税率の特例、もしくはマイホームの譲渡損失についての損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
  3. 売った家屋や敷地について、収用などの場合の特別控除など、ほかの特例の適用を受けていないこと。
  4. 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  5. 親子や夫婦など、特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれる。
  6. 売却した物件が、この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋でないこと。
  7. 売却した物件が、居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、そのほか、一時的な目的で入居したと認められる家屋でないこと。
  8. 売却した物件が、別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋でないこと

詳しくは、国税庁のHPでも確認できます。

次に、不動産の譲渡所得にかけられる税率は所有期間の長短で異なるものの、基本的には長く保有しているほうが有利な税率が適用されます。

売却した年の1月1日時点で5年を超えて保有している場合の譲渡所得を「長期譲渡所得」と言いますが、10年を超えて保有している場合には、さらに優遇される「長期譲渡所得の軽減税率」を適用できることがあります。

売却代金の額を二層に分けて、それぞれの層の売却金額に対して相当する税率が適用になります。

6000万円以下の層には10%、これを超える部分には15%が適用になります。

適用の条件としては、以下のとおりです。

  1. 日本国内にある自分が現住の家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。現住でない場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  2. 売った年の1月1日において、売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。
  3. 売った年の前年、および前々年にこの特例を受けていないこと。
  4. 売った家屋や敷地についてマイホームの買い換えや交換の特例など、ほかの特例を受けていないこと。ただし、マイホームを売ったときの3000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることが可能。
  5. 親子や夫婦など、特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれる。

詳しくは、国税庁のHPでも確認できます。

最後に「特定居住用財産の買換え等の特例(課税繰り延べ)」をご紹介します。

マイホームを買い換えるときには、旧住居の売却金額を新たなマイホームの購入資金にするのが普通です。このとき、新たに購入するマイホームの取得金額が旧住居の売却金額よりも大きい場合は、見た目に残るお金がないということで、今回の売却に伴って発生した譲渡益に対する課税を繰り延べることができるのが「特定居住用財産の買換え等の特例」です。

「繰り延べる」というのは、今回免れた課税を、今回購入する新たなマイホームを将来また売却するときに合わせて清算するというものです。免税ではなく、繰り延べである点に注意しましょう。

では、結局のところ、将来に課税されるのかというと、必ずしもそうではありません、将来の売却する時点での条件によるものの、場合によっては経費額が大きくなるなど、譲渡所得を大きく減らすことができれば、今回分の譲渡所得も一緒に償却されて、免税される可能性があります。

この特例が適用されるには、以下の条件を満たすことが必要です。

  1. 自分が現住の家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。現住でない場合には、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること。
  2. 売った年の前年および前々年に、マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例またはマイホームを売ったときの軽減税率の特例、もしくはマイホームの譲渡損失についての損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
  3. 売ったマイホームと買い換えたマイホームは、日本国内にあるもので、売ったマイホームについて、収用などの場合の特別控除など、ほかの特例の適用を受けないこと。
  4. 売却代金が1億円以下であること。
  5. 売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において売った家屋やその敷地の所有期間が、ともに10年を超えるものであること。
  6. 買い換える建物の床面積が50平方メートル以上のものであり、買い換える土地の面積が500平方メートル以下のものであること。
  7. マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホームを買い換えること。また、買い換えたマイホームには、一定期限までに住むこと。
  8. 買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
  9. 親子や夫婦など、特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれる。

詳しくは、国税庁のHPでも確認できます。

不動産売却のケース3:居住用物件を売却により損失が出た場合の確定申告

マイホームである一定の居住用の物件を売却して売却損が出た場合は、法律上の確定申告は不要になりますが、確定申告をすることで、一定の税制上の優遇施策を受けることができます。

手間を嫌う人は、このメリットを切り捨てることで確定申告をしないことも可能ですが、できる限り利用したいところです。

まず一つは「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」があります。

これは、一定のマイホームを買い替えた際に、旧住居について計算上生じた譲渡損をその年の給与所得や事業所得など、ほかの所得から控除できたり(損益通算)、それでも残った損を翌年以降一定年に限り繰り越して控除(繰越控除)できるものです。

損益通算は、例えば給与所得など、黒字の数字を不動産の譲渡損の額分減らすことで課税価格を減らし、給与所得にかけられる税金の負担を軽減する作用があります。

繰越控除は、その効果を複数年にわたって得られるものになります。

適用条件としては、以下のとおりです。

  1. 自分が現住のマイホームを譲渡すること。現住でない場合には、住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡すること。
  2. 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超える資産(旧居宅)で、日本国内にあるものの譲渡であること。
  3. 譲渡の年の前年の1月1日から売却の年の翌年12月31日までの間に、日本国内にある資産(新居宅)で、家屋の床面積が50平方メートル以上であるものを取得すること。
  4. 買換資産(新居宅)を取得した年の翌年12月31日までの間に居住の用に供すること、または供する見込みであること。
  5. 買換資産(新居宅)を取得した年の12月31日において、買換資産について償還期間10年以上の住宅ローンを有すること。

詳しくは、国税庁のHPでも確認できます。

また、上記はマイホームを買い替えた場合に利用できる特例で、もう一つ、買い替えをしなくても利用できるのが「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。

こちらは、住宅ローンが残る物件について譲渡損が生じた際に、損益通算や繰越控除が利用できるものです。ローンの負担が残る国民を税制上で支援してあげようというのが、この施策の意図です。

適用要件としては、次に挙げるものとなります。

  1. 自分が現住のマイホーム(譲渡資産)を譲渡すること。現住でない場合には、住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡すること。
  2. 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えるマイホーム(譲渡資産)で、日本国内にあるものの譲渡であること。
  3. 譲渡したマイホームの売買契約日の前日において、そのマイホームにかかる償還期間10年以上の住宅ローンの残高があること。
  4. マイホームの譲渡価額が、上記(3)の住宅ローンの残高を下回っていること。
  5. 平成27年12月31日までにした、住宅ローンが残るマイホームの売却であること。

詳しくは、国税庁のHPでも確認できます。

POINT
  • 不動産を売却して、利益が出た場合に確定申告をする必要がある
  • 確定申告をすると、控除や還付を受けられるというメリットがある
  • 確定申告は「法律上、申告しなければならない人」と「法律上の申告の義務はないけれど、すれば一定の恩恵を受けることができる人」に分かれる
  • 確定申告の期限間近に申告すると、チェックが甘くなるということはない

不動産ってどう売るの?損しない不動産売却の始め方

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