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不動産売却にかかる3つの税金と節税のための5つのポイント

更新日:2016年10月17日

不動産売却の税金

不動産売却には多くの税金がかかります。
かかる税金の計算方法がわかっていれば、確定申告の際などに節税することができます。

今回は、売却でかかる税金の種類と計算方法、3,000万円の特別控除で納税額を安くする方法を説明します。

  • 【結論】不動産売却の税金額を知るには実は査定がオススメ

不動産を売却したときにかかる税金のうち、「印紙税」と「譲渡所得税」は実際に売却できた金額によって税額が異なります。

だいたいこのくらいで売れるだろうと勘で売却価格を考えてしまうと、実際に売れる額はだいぶ異なるので想定していた以上の税金がかかる可能性もあります。

この点、一括査定サイトを利用すれば、複数社の査定額から相場を把握することが可能です。

相場が分かれば、譲渡所得税の額もおおよそつかむことができますし、担当者と相談することで自分で計算しなくても参考額を出してもらうことができます。

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不動産を売却にはどんな税金がかかる?

不動産を売却すると主に3つの税金がかかります。

【不動産売却にかかる税金の種類】
  • 印紙税
  • 抵当権抹消登記の登録免許税
  • 譲渡所得税

ではそれぞれの税金について見ていきましょう。

1.売買契約書の作成に必要な「印紙税」

"印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税である"

質問主意書:参議院より引用

簡潔に言うと、「取引の証明としてあげるから、担保してあげる代わりに税金徴収するね。」という税金です。

不動産取引では、売買契約書に印紙を貼ります。その印紙の購入費用が「印紙税」というわけです。

平成30年3月31日までになされる不動産の売買契約の場合、印紙税の軽減措置の適用があります。

【印紙税の軽減措置の税額】
契約金額 本則税率 軽減税率
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超1億円以下 6万円 3万円
1億円超5億円以下 10万円 6万円
5億円超10億円以下 20万円 16万円
10億円超50億円以下 40万円 32万円
50億円超 60万円 48万円

詳しくは国税庁のHPをご覧ください。

また、「不動産売買では印紙税の支払い(収入印紙の貼付)を忘れずに」の記事でも詳しく説明しています。

2.抵当権の抹消登記をするとかかる「登録免許税」

住宅ローンの残債がある場合は、抵当権が設定されているため、抵当権を抹消するために登記を行う必要があります。

抵当権抹消の登録免許税とは、土地、建物それぞれに対して1,000円かかるということになります。

例えば、3筆の土地の上に1つの建物が建っており、この抵当権抹消を行う際、土地に3,000円、建物に1,000円発生し、合計4,000円となります。

この費用については、通常、司法書士に渡す費用の中に含まれています。司法書士に依頼すると相場としては1万円程度の費用がかかります。

費用節約のために自身で登記を行いたい方もいると思いますが、あまりオススメできません。

特に、抵当権抹消の手続きは、決済日と登記を外した日が一致しないといけませんので、この手続きは司法書士に依頼をしましょう。

3.売却での所得に対して課せられる「譲渡所得税」

譲渡所得税とは、不動産を売却した際に得た利益に対してかかる税金のことです。

この譲渡所得は、これまで居住用建物と非居住建物で税率が異なっていましたが、昨年施行された空き家対策基本法により、相続等で受け取った非居住用の建物も、居住用と同じ税率計算をしてもいいことになりました。

また、不動産売却の譲渡所得は、給与所得や事業所得といった収入に課税される税金とは別として計算される、分離課税となります。

譲渡所得税は、次のように計算をします。

【譲渡所得税の計算方法】

売却益-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得

譲渡所得×(所得税率+住民税率)=譲渡所得税

売却益に単純に税金がかかるわけではなく、売却益から経費を差し引いた額に税金がかかります。

では、譲渡所得の求め方をさらに詳しく見てみましょう。

不動産の「売却益」

文字通り不動産を売却できた金額です。

3,000万円で売れたのであれば、3,000万円がそのまま上記の式に入ります。

不動産の「取得費」

不動産を取得する上でかかった費用を「取得費」と言います。

取得費に含まれるものは以下の費用です。

【取得費と見なされるものの例】
  • 不動産の購入金額
  • 購入時に支払った仲介手数料
  • 購入時に貼付した印紙代
  • 購入時の測量費
  • 購入時の登録免許税
  • 一定の改修費

不動産の購入費用のうち、建物の取得金額には減価償却を差し引く必要があります。

取得費は「減価償却」する

減価償却とは、不動産の劣化部分の価値のことであり、取得費には含めることができません。

【減価償却費の計算方法】

建物の取得金額×0.9×償却率×経過年数

【償却率】
構造 耐用年数 償却率
木造 22年 0.046
金属造 34年 0.03
れんが造、石造、ブロック造 38年 0.027
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年 0.022

詳しくは耐用年数表償却率表をご覧ください。

【取得費の計算例】

仲介で新築を購入した場合、

  • 購入時の建物価格 2,000万円
  • 購入時の土地価格 1,000万円
  • 構造 新築木造住宅
  • 建築年数 10年

2,000万円×0.9×0.046×10=828万円→2,000万-828万=1,172万円……不動産の購入金額

3,000万円の3%+6万円+消費税=103万6,800円……購入時の仲介手数料

1万円……印紙代

取得費=1,274万6,800円

上記に加え、測量費や免許税などが加わってきます。

取得費がわからないとき

また、取得費の概算法として「売却益の5%」を利用することができます。

相続などで、取得費が不明な場合には概算法を利用しましょう。

相続不動産の取得費はどうなる?

相続人が取得した際の取得費を引き継ぐことになります。

なので、購入した際の価格がわかる資料や仲介手数料などの費用がわかる資料を見つけておく必要があります。

取得費の証明ができない場合には「売却益の5%」を取得費とすることになります。

不動産の「譲渡費用」

譲渡費用」とは、不動産を譲渡=売却する際にかかった費用のことです。

【譲渡費用の一例】
  • 売却時の仲介手数料
  • 売却時の印紙税
  • (借家の場合)居住者の立退料
  • 解体費用
  • 違約金
  • 抵当権の抹消登記費用
【譲渡費用の計算例】
  • 不動産の売却価格 2,000万円

2,000万円の3%+6万円+消費税=71万2,800円……売却時の仲介手数料

1万円……印紙代

1,000円……抵当権抹消登記の登録免許税

だいたい1万円……登記を司法書士に依頼した場合の支払い報酬

譲渡費用=73万3,800円

経費になり得るのはその不動産の売却に際して直接必要になったものかどうかで判断されるため、「引越し費用」は税務署の担当者によって判断が異なります。

心配であれば税理士に相談するようにしましょう。

不動産売却の「譲渡所得税率」は所有期間で変わる

譲渡所得税は一律で同じ税率がかかるわけではありません。

所有期間によって譲渡所得税の税率は変わり、長期間所有しているほうが税率が低くなります。

「5年」を分かれ目に、「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」と分かれています。

【所有期間と税率】
所有期間 所得税 住民税
5年以内(短期譲渡所得) 30% 9%
5年超(長期譲渡所得) 15% 5%

所有した年から5年を超える1月1日以降に取引を行ったかが判断基準です。

【短期と長期の違い】

2006年7月1日に取得した不動産を売却する場合

  • 2010年12月20日に売却……短期譲渡所得
  • 2011年2月11日に売却……長期譲渡所得

良くある間違いに、上記の場合、2011年7月1日以降を「5年超え」と考える方が多くいらっしゃいます。

翌年1月1日を超えれば所有期間は1年を超えたという考え方になります。

譲渡所得税の計算例

では実際、譲渡所得税はいくらほどになるのか、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。

【【譲渡所得税のシミュレーション】

仲介で新築を購入し、仲介で売却した場合、

  • 購入時の建物価格 2,000万円
  • 購入時の土地価格 1,000万円
  • 構造 新築木造住宅
  • 建築年数 10年
  • 売却価格 2,000万円

売却益-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得

2,000万円-(1,274万6,800円+73万3,800円)=651万9,400円

譲渡所得税×譲渡所得税の税率

651万9,400円×15%=97万7,910円……所得税

651万9,400円×5%=32万5,970円……住民税

所得税として97万7,910円を、住民税として32万5,970円を納付することになります。

譲渡所得税全体としては、130万3,880円を支払います。

不動産売却で消費税が非課税となるケース

不動産を売却した際にも消費税が課税されます。

しかし、不動産の種類や売り主の属性によって非課税となることもあります。

【消費税と不動産売却の関係】
不動産の種類 売却する人 消費税

建物(居住用)

個人 非課税
法人 課税
建物(投資用) - 課税
土地 - 非課税

個人が自宅を売却するうえでは、消費税が課税されることはありません。

注意が必要なのは、個人でも投資用の不動産を売却すると消費税が売却益に課税されることになります。

不動産売却の税金を節税する5つの方法

1.3,000万円の特別控除の特例を使う

マイホームを売った時にのみ利用できる特例として、「居住用財産の3,000万円特別控除」があります。

簡単に言うと「自宅用の不動産売却であれば税負担を大幅に減らせる特例」です。

適用するには条件がありますので、国税庁のHPをご確認ください。

この特例を利用すると、譲渡所得が3,000万円以下であれば譲渡所得税がゼロになります。

確定申告をすることで利用できるようになるので、忘れずに申告しましょう。

2.長期間所有してから売却する

所有期間が5年を超える(長期譲渡所得)の場合は税率が低くなるとお話ししましたが、さらに所有期間が10年を超え、一定の要件を満たすと「長期譲渡所得の軽減税率」が利用できます。

【長期譲渡所得の軽減税率】
所得税 住民税
6,000万円以下の部分 10% 4%
6,000万円超の部分 15% 5%

利用できるケースは、以下のようになるケースです。

6,000万円以上=売却益-(取得費+譲渡費用+3,000万円)

取得費と譲渡費用を除いても、9,000万円以上で売却できなければ利用できないのですが、利用できる可能性があるのであれば、なるべく利用できる条件となるような売却価格での売却を目指しましょう。

3.買い換え特例を利用する

不動産の「買い換え特例」とは、家を買い換える際に旧宅を売った金額よりも買い替えた新宅の取得金額のほうが大きい場合には課税されないという制度です。

この特例は、税金の支払いが免除されるわけではなく、買い換え資産である新宅を売却した際に課税される「繰り越し」という扱いになります。

詳細は「不動産売却の「買い換え特例」はお得?適用条件と注意点まとめ」の記事で紹介しています。

4.売却して損失が出たら税金の還付を受けられる(損益通算、マイナス、ローン)

譲渡所得税は利益が出た場合にしか課税されません。

不動産売却においての「損失」というのは、売却益よりも取得費や譲渡費用が高く、譲渡所得がマイナスになっている状態です。

このとき、課税がされないだけでなく「損益通算」によって税金の還付を受けられる特別控除を利用できる場合があります。

【利用できる特別控除】
  1. 「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」(家の買い替えを伴う場合)
  2. 「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」(家の買い替えを伴わない場合)

これらの場合には、損益通算としてマイナス分が給与所得から引かれ所得税や住民税が安く、場合によってはゼロになります

詳しくは「不動産の売却で損が出てしまった場合に起こること」の記事をご覧ください。

5.「相続税の取得費加算の特例」を利用する

相続不動産を売却する場合、「相続税」と「譲渡所得税」がかかることになります。

つまり不動産の価値の一定分については既に「相続税」として支払っているのに「譲渡所得税」を重ねて支払っている、という状態になります。

そこで「取得費加算の特例」を利用することで、支払った相続税の一定分を、取得費に加算することができます

詳しくは「相続した不動産の譲渡所得税は減らせるって知ってましたか?」の記事をご覧ください。

不動産売却の税金はいつ支払う?

所得税の納付は翌年の3月の確定申告時期

不動産の売却にかかる税金を支払う時期は、所得税と住民税で異なります

所得税は翌年の2月半ば~3月半ばです。これは確定申告する時期です。

軽減税率を利用する場合や特別控除以上に売却益が出た場合、売却損が出た場合は、確定申告をして納税の手続きをする必要があります。

住民税の納付は翌年5月から4回

住民税は翌年5月頃に通知が来て四半期に分けて納付します。

【住民税を支払う時期】
第1期 第2期 第3期 第4期
支払い時期 翌年6月末 8月末 10月末 翌々年1月末

確定申告時に、自分で支払う「普通徴収」か給与天引きとなる「特別徴収」かを選ぶことができます。

納付を忘れないように「特別徴収」を利用するのがオススメですが、手取りが減ることや会社に収入があったことを知られることが嫌なのであれば「普通徴収」にして自分で支払うようにしましょう。

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